試合概況
ご無沙汰しております。マンチェスター・ユナイテッド研究所です。
今回は、12月5日(金)に行われたプレミアリーグ第14節・ウエストハム戦の試合レビューを書いていきます。
結果は――1対1で勝ち点を分け合う形となりました。
先制に成功し、5位浮上が見えてきていたユナイテッド。しかし、終盤にウエストハムに主導権を握られる展開を許すと、コーナーキックの流れから失点。
その後ユナイテッドも勝ち越しを狙って攻め込みますが、勝ち越せず。ここ最近は、先制点こそ奪えるものの、リードを広げる、保つことができず勝ち点を落としています。
特に、上位浮上のチャンスに勝ち点を落とす展開が続いており、課題が浮き彫りになる試合となりました。
スタメン

前節から3枚の変更。ヨロ、デリフト、マウントに代わってマズラウィ、ヘヴン、クーニャが入りました。ヘヴンのスタメンは驚きましたね。アモリムは、負傷の多い選手はかなり慎重に起用してきますね。そこのコントロールは良いと思います。
前半
6分 ウエストハムのチャンスシーン。
自陣右サイドでボールを受けたワンビサカが、ボーウェンにパスしてランニング。この動きにユナイテッドは誰もついていかず。

ボーウェン、ソウチェクと繋がれワンビサカの前方へスルーパス。

ワンビサカに抜け出され、ポケットへの侵入を許します。ワンビサカ折り返しを、フェルナンデスがシュートしますが、カゼミロがナイスブロック。ワンビサカへの対応が酷かったですね。あそこまでフリーで抜け出されてしまっては、失点していてもおかしくないシーンでした。
14分のシーン。
右サイドのスローインから、ディフレクションもありカゼミロにこぼれてきたのですが、カゼミロはダイレクトでザークツィへのパスを選択。

パスが乱れ、ポッツにカットされたのですが、ここは落ち着いてキープし、ショウを介して左のダロトまで持っていってほしいシーンでした。ザークツィに通っていても、ウエストハムも守備陣形崩れていなかったので、サイドを変える方がチャンスになりそうなシーンでした。
28分 ユナイテッドが立て続けにチャンスを作ります。
中盤のこぼれ球をカゼミロがキープしたところから、中央でフリーになっていたエンベウモにパスを出します。

エンベウモは、右サイドに開いていたアマドへ。

アマドがパスを受けると、カットインのフェイントでDFを止めつつ、縦へスピードで突破。そのままポケットまで侵入し、低めの鋭いクロスを供給。
エリア中央でザークツィが反応して合わせますが、ここはワンビサカがゴールライン上で見事なクリア。こぼれ球にはクーニャが反応し、トラップからバイシクルシュート、さらにブルーノも続けてシュートを放つものの、クーニャのシュートは相手にブロックされ、ブルーノの一撃はポストをかすめてわずかに枠外。
チャンスを作りましたが、最後までゴールには至らず。こういうシーンで決め切れるようになりたいですね。
31分 ユナイテッドのチャンスシーン。
右サイドからの攻撃で、アマドからダロトへのクロスシーンがありました。これは、スポルティング時代からアモリムのチームでよく見られる動きで、繋がりませんでしたが良い攻撃だったと思います。

35分 ウエストハムのチャンスシーン。
右サイド、ボーウェンに突破を許します。ブルーノとヘヴンで対応しますが、ブルーノのタックルで奪えず、エリア内に侵入。最後はシュートを放ちますが、ショウにディフレクションしたボールをラメンスがキャッチし、事なきを得ます。
試合はスコアレスのまま終了します。
前半は、ユナイテッドペースで進んでいましたね。ブルーノが右サイドに流れたり、エンベウモの立ち位置がよく、効果的にいいボールを受けることができていたこともあり、右サイドからの攻撃が機能していました。
後半
後半開始から、ヘヴンに代えてヨロを投入してきます。プランになかった交代だと思いますが、ヘヴンがイエローを1枚もらっていたため、退場になるリスク軽減のための交代だと思います。
56分 ユナイテッドのチャンス。
左からのコーナーキック、ブルーノがショートコーナーでアマドに渡すと、クロスのキックモーションからマイナスのエンベウモへパス。エンベウモのシュートはブロックされましたが、デザインされた良いコーナーキックだったと思います。
58分 ユナイテッドに先制点が生まれます。
左サイドから、カゼミロを経由して右のアマドまでサイドを変えます。

アマドは、ドリブルでエリア内に侵入。ディウフとトディボを引き付けると、マイナスのカゼミロへ。カゼミロのダイレクトシュートはフェルナンデスに当たってしまいますが、このボールがダロトの足元に収まり、落ち着いてキーパーの逆をつきネットを揺らしました。

68分 ユナイテッドの選手交代。
ダロトを下げて、ドルグを投入。
徐々に、ウエストハムに主導権を握られる時間帯が増えてきます。
77分 ユナイテッドはさらに2枚替え。
クーニャとザークツィを下げて、マウントとウガルテを投入。ブルーノをシャドーに上げ、リードを広げるというよりは、バランスをとりつつリードを守り抜くことを目指す選手交代。
83分 ウエストハムが同点においつきます。
右からのコーナーキックを、一度はマズラウィがクリアしますが、クリアボールをマガサに決められました。ユナイテッドは、おそらくアマドがついていなければいけないシーンだったと思いますが、集中力を欠いてしまいまたしてもリードを保つことはできませんでした。
88分 ユナイテッドの選手交代
ショウを下げて、マルティネスを投入。
マルティネス投入後は、いい形で攻めるシーンもありましたが、勝ち越し点を奪うには至らず。1-1のまま試合終了となりました。
まとめ
降格圏に沈むウエストハムを相手に、ホームで勝ち点1。5位浮上のチャンスを不意にしてしまいました。エヴァートン戦もそうでしたが、ここぞという時に勝ち切れない状況が続いていますね。
逆転こそされなかったものの、先制してもリードを保てないという課題は依然として残っています。特に、セットプレー(特にコーナーキック)でファーサイドのケアが緩くなる問題は昨季から改善されず、痛い失点につながる場面が続いています。
ただ、マルティネスはさすがでした。出場はわずかな時間でしたが、彼が入った途端にビルドアップの質が明らかに向上。やはり別格です。早く怪我明けから完全復帰して、スタメンに戻ってきてほしいですね。そしてショウを左WBで起用できれば、チーム全体のクオリティも一段上がりそうです。
次節はアウェイでのウルバーハンプトン戦。ウルブスは現在0勝で最下位と絶不調。アウェイとはいえ、ここは確実に勝ち切って上位へ食らいつくべき一戦です。
ここから“強いユナイテッド”が本当に戻ってくることを信じて――。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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