【試合レビュー】プレミアリーグ第26節 ウエストハムvsマンチェスターユナイテッド(2026/2/10)

試合プレビュー&レビュー
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試合概況

どうも!マンチェスター・ユナイテッド研究所です。
今回は、2月10日(火)に行われたプレミアリーグ第26節・ウエストハム戦の試合レビューを書いていきます。

結果は――1対1のドローとなり、好調ウエストハムと勝ち点1を分け合う形となりました。

スタメン

トッテナム戦から中二日となるこの一戦、流石に多少のローテーションは行ってくるかと思ったのですが、キャリック監督は同じメンバーを選びました。選手たちにとっては、久しぶりに試合間隔が短いこのゲーム、結果論ですが多少疲労などの影響はあったかもしれませんね。

前半

この試合も、クーニャは中央寄り、エンベウモが左サイドにポジションを取ります。前節時点では選手個々の判断かと思っていましたが、ここまで継続しているとなると、キャリックの意図が入っている可能性もありそうです。

好調同士の対決ということもあり、立ち上がりはお互いに非常に集中した入り。特に中央の守備は両チームとも締まっており、自然とサイドからの打開を図る展開が続きます。

最初にゴールへ迫ったのはホームのウエストハムでした。

13分 ウエストハムのビルドアップ。右サイドからバックラインを経由し、左へ展開。ディサシから、左サイドで幅を取っていたサマーヴィルへボールが渡ります。

サマーヴィルに対してダロトが対応しますが、やや中途半端な距離感になってしまい、簡単にカットインを許してしまいます。そのまま右足でシュート。枠を捉えていましたが、ラメンスがしっかりセーブ。

フラム戦でケヴィンに決められた一撃を彷彿とさせる形で、ヒヤリとする場面でした。

21分 ユナイテッドはまたしても、コーナーキックから決定機を作ります。

ショウのクロスをマヴロパノスがブロックし、左からのコーナーキックを獲得。ここでもユナイテッドは、前節で得点を生んだ形に近いデザインを見せます。

メイヌーがファー側からニアへと動き直し、相手の視線とマークを撹乱。カゼミロはファーから中央へ流れ、さらに大外からショウが侵入。複数の動きが重なることで、守備側の基準を曖昧にします。

そしてブルーノは、正確なボールをショウへ供給。

ショウのシュートはゴールライン上でワン・ビサカにクリアされ、惜しくも得点とはなりませんでしたが、形としてはほぼ完璧でした。

本当に、セットプレーが武器になりましたね。

毎試合異なるパターンを用意しており、「また同じ形か」という守る側の読みを完全に外しています。見る側としては、どんなトリックが飛び出すのか楽しみですし、守備側からすれば今のユナイテッドのセットプレーは相当な脅威でしょう。

その後は、お互いに決定機を作りきれず、スコアレスのまま前半を折り返します。

前半は両チームとも左サイドからの攻撃が目立ちました。中でもウエストハムは、サマーヴィルが明確に違いを生み出していました。

ダロトとの間合いをうまく取りながら仕掛けるドリブルは脅威そのもの。さらに中央にはソウチェクが構えているため、カットインだけでなくクロスも大きな武器になっていました。単独の突破力と高さを活かしたフィニッシュの両方を匂わせられることで、ユナイテッド守備陣は常に判断を迫られていました。

一方のユナイテッド。

トランジションは悪くなく、中盤での球際も五分以上。良い位置でボールを奪い、前進するところまではできていました。しかし、崩しの局面で停滞します。

左サイドには左利きのエンベウモとショウ。外に張る形が多く、内側へ切れ込む動きが限定的でした。さらに中央でクロスに飛び込む選手が少なく、ボールは保持できてもゴール前での迫力に欠ける展開。

サイドまでは運べるものの、中央で動き出す選手がいない――
そんな“閉鎖感”のある45分だったと感じます。

足元で受けたがる選手が多く、背後を取る動きが少なかったことも一因でしょう。負けていない状況でメンバー変更のリスクを取る難しさは理解できますが、対戦相手に応じて明確なタイプ変更も必要だったかもしれません。

そんな中で際立っていたのがマルティネス。

ビルドアップの起点として非常に落ち着いており、相手のプレッシャーを見ながらテンポを変え、左右に散らしていました。コンディションはかなり良さそうに映ります。今のユナイテッドにおいて欠かせない存在だと、改めて感じさせる前半でした。

ただ、その質の高い配球も、前線の停滞感によって得点には結びつかず。
課題と手応えが同居する、評価の難しい前半でした。

後半

後半の立ち上がりは、ユナイテッドがギアを上げた印象があり、より攻撃的に行く姿勢が見られました。しかし、先制したのはウエストハムでした。

50分 きっかけはユナイテッドの右サイド。アマドが仕掛けた場面をディウフに止められ、スローインを与えます。ディサシからリターンを受けたディウフは迷わず前線へロングボール。

ショウはこのボールをダイレクトで処理できず、ワンバウンドさせてしまいます。その隙をボーウェンに先に触られ、ソウチェクへ落とされる形に。

この瞬間は、まだ致命傷ではありませんでした。

メイヌーがカバーに入りかけており、状況は整えられるはずでした。しかしショウは焦ったのか、本来マークすべきボーウェンを離し、ソウチェクへタックルを仕掛けてしまいます。

結果的にソウチェクはうまく身体を使い、ボーウェンへ展開。
右サイドでボーウェンがフリーという最悪の構図が生まれます。

エンベウモも懸命に戻りましたが、ボーウェンには十分すぎる時間がありました。落ち着いてニアへ正確なクロス。

そして中央では、ソウチェクがマルティネスの背後から足を伸ばし、ゴールネットを揺らします。

ユナイテッド側の対応ミスからの失点でしたね。

・ショウの初動対応
・マークの受け渡しの判断
・ボーウェンへのプレッシャーの遅れ
・ソウチェクの高さを警戒しすぎた

どれか一つでも整っていれば、防げた可能性は高い失点でした。

ユナイテッドとしては、流れを渡さずに戦っていた時間帯だけに、非常にもったいない失点でした。

63分 メイヌーが右サイドから早いタイミングでアーリークロス。
ファーサイドから飛び込んだカゼミロが合わせ、ネットを揺らしましたが、判定はオフサイド。

リプレーで見ると、確かにカゼミロの膝がワン・ビサカの肩より“ほんの数センチ”出ているようにも見えました。ただ、非常に微妙なラインです。

さらに気になったのは、VARの判定に使用された静止画のタイミング。

メイヌーがボールを蹴った“瞬間”というより、やや蹴り出した後のフレームに見えました。
もし本当にインパクトの瞬間であれば、カゼミロはオンサイドだった可能性も感じさせる、極めて際どい判定でした。

もちろん、最終的な判断はVARに委ねられますし、テクノロジーを否定するつもりはありません。ただ、こうした“数センチ”の世界になると、フレーム単位の精度が勝敗を左右します。折角のテクノロジーなので、こうした議論が生まれないような工夫を考えて欲しいところです。

このゴールが認められていれば、流れは大きく変わっていたでしょう。

68分 ユナイテッドの選手交代
マグワイアとクーニャを下げて、ヨロとシェシュコを投入。ウエストハムも、カステジャーノスに代えてウィルソンを投入してきます。

マグワイアは、前半からハムストリングを気にしているそぶりを見せており、負傷による交代かもしれません。好調だっただけに、離脱となるとユナイテッドにとっては痛手となります。

失点以降、ユナイテッドが明確にギアを上げます。
ボール保持率も高まり、相手陣内でプレーする時間は増加。しかし、攻撃は中盤での細かいパス交換に終始し、ゴール前での決定的な崩しには至りませんでした。

ウエストハムは割り切ってブロックを形成。中央を締め、バイタルエリアを徹底的に消してきました。ユナイテッドは外回りの循環はできるものの、最後の縦パスや背後へのランニングが不足し、守備側にとって怖さのある形を作れません。

そして気になったのが、シェシュコ投入後の戦い方です。
高さと裏抜けという明確な武器を持つストライカーを投入したにもかかわらず、

  • ロングボールを増やすわけでもなく
  • クロスを増やすわけでもなく
  • セカンドボールを狙う設計に変えるわけでもない

結果として、シェシュコを“活かす構造”にはなりませんでした。

これはチーム全体の設計の問題なのか、それとも単に時間帯の流れだったのか。いずれにせよ、交代の意図とピッチ上の表現が噛み合っていない印象は否めません。

ただし、ポジティブな材料もあります。

シェシュコ自身のシュートへの意欲は明らかに高まっています。
迷いなく足を振るシーンが増えました。

これはプレミアリーグの強度やスピードに徐々に順応してきた証拠でしょう。自信がついてきたようにも見えます。

個人的には、そろそろスタメン起用を見てみたいところです。
最初から彼を軸にした攻撃設計をした時、どのような変化が起きるのか。
彼を生かす戦い方ができた時のユナイテッドは、相手にとって相当手強いでしょう。

82分 ユナイテッドはさらに選手交代。
ダロトを下げて、ザークツィーを投入。3バックにシステムを変更。右WBにエンベウモ、左WBにアマドを配して得点を目指します。

91分 ウエストハムの決定機
ユナイテッドが押し込み続けていた終盤、最も警戒すべき形でカウンターを受けます。
ブルーノがターンを狙ったところをマガサに引っ掛けられ、そのボールがウィルソンの前方へ。

この時、ユナイテッドは全員が敵陣に入り込んでおり、最終ラインにはヨロ一人という極めてリスキーな状況でした。

マガサもそのまま攻撃参加し、実質1対2。

普通であれば決定機に直結してもおかしくない局面でしたが、ここで見せたヨロの対応は見事でした。

  • 無闇に飛び込まない
  • コースを限定する

若手とは思えない落ち着きで時間を作り、最終的にクロスをブロック。チームを救うビッグプレーでした。

ただ、個人的に強く印象に残ったのは、エンベウモです。

最前線にいたはずの彼が、全力で戻り最後はマガサをマークしていました。
もしエンベウモが戻っていなければ、ヨロは完全な1対2を強いられ、マガサがフリーになる可能性が高かったでしょう。
ヨロの対応はもちろん称賛に値しますが、エンベウモの献身性も同じくらい評価されるべきです。

攻撃面での貢献だけでなく、ここまで走れる選手が前線にいるというのは、今のユナイテッドの強さを象徴しています。

キャリック体制になってから感じる「全員守備・全員攻撃」の意識。
このシーンは、それが凝縮されたワンプレーだったと言えるでしょう。

直後の93分にも、ヨロは1対2の状況でトラオレのシュートをブロック。キャリック体制になってから、なかなか出番がありませんでしたが、スタメンでも見てみたいパフォーマンスでした。

94分 ブルーノのクロスにザークツィーが合わせましたが、惜しくも枠外。

このまま試合終了かと思われた、96分。ユナイテッドが同点に追いつきます。
中央でブルーノからのパスを受けたアマドが、右サイドのエンベウモに展開。

エンベウモは迷わずクロスを選択。

このボールに合わせたのは、シェシュコ!ディサシの背後から足を出し、見事にネットを揺らしました。

その後、お互いに追加点を狙うアグレッシブな展開になりましたが、得点は生まれずに試合終了。

まとめ

非常に評価の難しい試合となりました。

終始ユナイテッドが主導権を握り、ボールを保持し続け、押し込む展開。しかし、失点は自分たちのミスから。ポゼッションを高めながらも、相手ブロックを崩し切るだけの効果的な攻撃を見せられなかった点は明確な課題として残りました。

ただし、前提としてウエストハムは「降格圏のチーム」と一括りにできる状態ではありません。ヌーノ監督の下で組織された守備は非常に整理されており、中央は固く、簡単には割れない構造になっていました。
さらに、後半は消える時間帯もあったものの、サマーヴィルやボーウェンの個の力は脅威であり、ワンチャンスを仕留める質も持っていました。


攻撃面の気になるポイント

■ アマドの判断

アマドは好調に見えるだけに、終盤の局面でシュートを選択してほしかった。
敵陣でボールを持った際に、「最適解」を探しすぎている印象があります。

以前までのように、カットインからのシュートも積極的に狙って欲しいところです。

判断力が一段上がれば、より怖い存在になるでしょう。


■ エンベウモの最適解

エンベウモは、やはり右サイドが一番輝くポジションだと感じます。

右サイドでボールを受けたときの

  • 推進力
  • カットインの質
  • 守備への戻り
  • クロスの質

どれを取ってもチームに大きなエネルギーを与えています。

アマドもエンベウモも同時に起用したいところではありますが、中央に明確な基準点がないことで攻撃が停滞する場面も見受けられました。

個人的には、シェシュコをスタートから中央に置き、

  • エンベウモ右
  • クーニャ左

という形を一度試してみてほしいところです。そして、アマドは後半からジョーカーとして起用して欲しいと思います。

現在のユナイテッドに高さの脅威が最初からあれば、相手のブロックも変わるはずです。


次節に向けて

次節はアウェイでのエヴァートン戦。

両チームともFA杯敗退により中12日と十分な準備期間があります。この期間は非常に重要です。

  • 控え選手の再評価
  • ポジションの最適化
  • リード時の試合クローズ方法の整理

キャリック体制の真価が問われるタイミングになります。

ここで幅を広げられるかどうかが、シーズン終盤の安定感に直結するでしょう。

ここから“強いユナイテッド”が本当に戻ってくることを信じて――。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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