試合概況
どうも。マンチェスターユナイテッド研究所です。今回は9月14日(日)に行われた、プレミアリーグ第4節 マンチェスターシティ戦の試合レビューを書いていきます。
結果は、0-3の完敗。いつも通り、チャンスは作りながらも決めきれず。自分たちのミスも絡んで簡単な失点を繰り返し、起用した選手と合わない戦術に終始するチグハグな始末。アモリムへの風当たりもさらに強くなってきそうな一戦となりました。
スタメン

前節からは、クーニャとマウントの負傷離脱もあり4枚の変更がありました。ビックゲームでは珍しく、カゼミロではなくウガルテがスタメンに選ばれました。また、右WBにはマズラウィ。左シャドーにはアマドが起用される謎采配。ワントップでは、シェシュコがプレミアリーグ初先発を飾りました。プレシーズンを見ている限り、ザークツィーがフィットしそうだと感じていましたが、アモリムの中では違ったようです。
前半
お互いに、トランジションの意識が高くカウンターの応酬のような立ち上がりに。この試合もユナイテッドは悪くない入りでした。奪ってからパスが短くなり、チャンスにならなかったシーンも目立ちました。決定力不足もですが、この辺りのクオリティを上げていく必要があります。
シティも普段より長めのボールを駆使して、速い攻撃を仕掛けてきました。特に、ラインダースからドクへスルーパスが多かったですが、ドクは足元で受けようとしていて、合っていなかったですね。
16分 ロドリの珍しいミスからユナイテッドのチャンス。センターサークル付近でグヴァルディオルからのパスを受けたロドリのタッチが長くなり、ウガルテがカット。

ウガルテはブルーノに渡すと、ブルーノはアマドへのパスを模索しますが、グヴァルディオルのポジショニングが良かったため、駆け上がってきたドルグへ

ドルグはクロスを選択しますが、シェシュコではなくアマドへ。アマドのシュートはミートしませんでした。グヴァルディオルもシェシュコに釣られ、アマドがフリーになっていたのは確かですが、折角シェシュコを起用しているのであれば、シェシュコにクロスを上げて欲しかったですね。
18分 シティが先制します。ドクが右に流れて、右サイドでオーバーロードを作られます。ウガルテのポジショニングが曖昧だったこともあり、ロドリは簡単にドクに繋ぐと、簡単に前を向かれます。ショウの軽い守備を簡単に躱され、エリア内に侵入。ハーランドの動きにヨロがついていくと、裏のスペースにフォーデンが侵入してきます。

ドクのクロスは、一度ウガルテがカットしますが、こぼれ球をもう一度クロス。ファーから中央に入ってきたフォーデンが合わせてネットを揺らしました。この失点は、ドクが上手かったですね。戦術かもしれませんが、右サイドでオーバーロードを作られ数的不利になったことで、対応が後手に回りました。
24分 シティのチャンス。ディアスから楔を受けたラインダースは、ワンタッチでロドリへ落とします。

ロドリは、左サイドでフリーとなっていたオライリーに浮き玉のパスを選択。オライリーはマズラウィを引き付け、マズラウィの裏に飛び出したドクへ。

ドクがエリア内に運ぶと、ファーサイドにポジションを取ったハーランドを囮にニアに入ってきたラインダースへクロスを送り、ラインダースが合わせますが、バユンドゥルの正面。

ブルーノがブロックに入っていなければ、決められていたかもしれませんね。シティは、エリア内での選手達の動きが明確で、誰かがファーに位置すれば、誰か必ずニアを狙うというのが徹底されています。対してユナイテッドは、そのような連動した動きは見られず、ニアサイドへの意識が低いです。この辺りは、アモリムが徹底させていないのか、選手ができていないのか。どちらなんでしょうね。
徐々にシティが安定感を取り戻し試合を支配。ユナイテッドもいい場所でボールを奪えたりはしていましたが、奪い返した後のミスが多くチャンスにはならず。お互いに得点は生まれずに前半終了となりました。
後半
両チームともに選手交代なし。
47分 ユナイテッドのチャンス。ブルーノが右サイドフリーになっていたマズラウィにパスを通します。

マズラウィからアマド、ドルグと繋がります。

ドルグはグラウンダーのクロスを選択し、ディアスにブロックされました。このシーンも、シェシュコはファーサイドでいい動きをしていて、キーパーを超えるような高いボールをファーサイドに送ってほしいシーンでした。以前から言っていますが、ドルグはいい選手ですが、クロスの判断や精度はかなり気になります。
51分 ユナイテッドの良いビルドアップシーンがありました。ウガルテをアンカー気味に配置し、ブルーノのフリーを作ったところから、ヨロがブルーノに付けると、マズラウィとのパス交換を挟み、受けにきたエンベウモへ。

寄せてきたラインダースを躱し、ドルグへスルーパス。

この時点で、シェシュコは駆け引きしていてアーリークロスを入れても面白そうでしたが、ドリブルを選択。結局連携ミスもありチャンスにはならず。もっとシンプルにプレーして良いと思うのですが、サイドで持った時に仕掛けたり、ポケットを狙ったりすることが多く、相手からすると的が絞りやすいので守りやすい単調な攻撃になってしまっています。
53分 シティに追加点。左サイドスローインをフォーデンが受け、ドクへ。ドクはヨロを背負いながらハーランドが走り込んだスペースへパス。

ショウ、デリフトも反応を遅れてハーランドの突破を抑えられず。ループシュートを決められます。このシーンだけではないですが、ユナイテッドはスローイン下手くそすぎますね。相手のスローインはチャンスにされ、自分たちのスローインはすぐに奪われる。セットプレーコーチのカルロスフェルナンデスは何をやっているんでしょうか?何も仕事をしていないように感じてしまいますね。
55分には、ビルドアップのミスからあわやのシーンを作られますが、ポストに助けられました。ウガルテは、こういうところの判断力を磨かないといけません。
61分 ユナイテッドこの試合最大のチャンスシーン。シティのクリアボールをヨロがブルーノに落とし、ブルーノからショウ、ショウからドルグへ繋がります。

ドルグのアバウトなクロスを、ファーサイドでエンベウモがスーパーボレー。完璧なコースでしたが、ドンナルンマがセーブしました。これを止めるのは、流石の一言。
62分 ユナイテッドの選手交代。マズラウィ、ヨロに代えてメイヌーとマグワイアを投入。アマドが右WB、ブルーノがシャドーにポジションを移します。
68分 シティが試合を終わらせます。右サイドでユナイテッドがボールを回したところから、中盤を経由して逆サイドに展開。ウガルテのパスを受けたショウのトラップが少し長くなったところを、ベルナルドに寄せられ、ショウのパスが短くなり、ウガルテとマグワイアが一瞬お見合い。

結局、ハーランドに寄せられながらマグワイアがドルグを狙った無謀なパスを出しますが、これがベルナルドに渡ります。ベルナルドは、マグワイアの背後に位置取ったハーランドに冷静にパス。

これを、ハーランドが落ち着いて決めました。
このシーンは、個人的にユナイテッドが勝てていない理由が詰まったシーンだと感じました。良い守備をして、攻撃に繋げるものの、サイドでパス回しをして、結局シュートまでいけず、カウンターを喰らって失点。完全に自滅ですよね。フォワードに気持ちよくシュートを打たせてあげる、攻撃をシュートで完結させる。それができていない。もっと簡単にプレーすれば良いと思うんですが、サイドでここまでパスを繋ぐ必要ありますか?空中戦に強みがあるフォワードを起用しているのに、なぜクロスを上げないのか。不思議で仕方ありません。今日のようなプレーを続けていれば、確実に負のスパイラルに陥ると思います。ボールを保持することは、本来得点を取るための”手段”のはずですが、今のユナイテッドはボール保持することが”目的”のようになっています。本末転倒です。
その後、ユナイテッドが押し込みシティはハーランドも自陣まで戻ってブロックを敷き、カウンターでチャンスを作る展開となり、お互いに決定機は作りながらもスコアは動かず。0-3で完敗となりました。
選手採点
バユンドゥル 6
失点は、バユンドゥルの責任とは言い切れない。やれることはやっていた。が、ドンナルンマのパフォーマンスを見るとやはりユナイテッドでスタメンを張れる選手ではない。
ヨロ 5
ドクに手を焼き、後半体力がもたず速い時間に交代に。
→マグワイア 5
失点に絡んでしまった。ショウのミスがきっかけだったが、あの場面でリスクあるパスを選択したのは、いただけない。
デリフト 5
デュエルではほぼ負けなかったが、ハーランドの動きについていけず。
ショウ 4
失点に直結するミス。それ以上に気になったのは、軽い守備。どこか他人事のように見え、必死さが伝わってこない。
マズラウィ 6
攻守両面に安定感があるが、もっとクロスを上げてほしい。
→メイヌー 6
投入以降、攻撃の中心に。こうのパフォーマンスを続けられれば、スタメンの座は硬いのでは。
ブルーノ 6
難しいボールも収め、難しいコースへのパスも通すなど、攻撃面で目立った。ただ、やはりトップ下の選手だと感じさせられた。ブルーノが前線までプレスに入ってしまうことで、バランスを崩すシーンも。
ウガルテ 6
明らかによくなっている。コンディションが整ってきたか。守備面での貢献は素晴らしかったが、あわや失点のミスを犯すなど、ボールを持った時はまだ判断が良くない場面も。今後に期待。
→ザークツィー 採点なし
ドルグ 6
運動量を生かして、攻守両面によく走っていたが、クロスの判断と精度が良くない。
エンベウモ 7
まさに、孤軍奮闘。アマドとの連携も徐々に良くなってきている。
アマド 6
後半、WBに移ってからはオライリーを上回りチャンスを演出。
シェシュコ 6
ほとんどボールが来ず。良い動きは見せているが、ロングボールに競り負ける場面が目立った。
→カゼミロ 採点なし
まとめ
恥ずかしい。悔しいという気持ちすら芽生えない完敗でした。チャンスは作っていました。エンベウモのボレー、アマドの折り返しからエンベウモが合わせたシーン、ブルーノのシュートをカゼミロが押し込もうとしたシーン。どれかひとつでも決まっていれば、試合展開は変わっていたかもしれません。問題は、いつも同じ展開であること。チャンスは作った。が、決められない。そして、自分たちのミスで簡単にボールを失って失点。再現性がありすぎます。そりゃ勝てません。
アモリムへの風当たりも、強くなってきています。報道によると、現時点で解任はないが、あと3試合でCL出場権獲得が難しいと判断されれば、解任される可能性があるとのこと。私も、いつ解任になってもおかしくないと感じていますが、果たして解任でいいのでしょうか。アモリムが就任した際、時間がかかりそうというのは分かっていましたよね。これまでとは違うシステムで、全く違うサッカーをやろうとしているわけですから。私は、解任には反対です。確かに、結果は出ていませんし、私も疑心暗鬼にはなっています。選手の信頼を勝ち得ていないというネガティブな報道も出ており、大丈夫か?という意見もわかります。しかし、それこそまた同じ過ちを繰り返すことになります。今、アモリムも相当なストレスがかかっているでしょう。こういう時こそ、私は応援したいと思います。
次戦、ホームでのチェルシー戦です。正直、厳しい相手ですね。もし、内容も伴わない敗北を喫すれば、本当に解任となってしまうかもしれません。アモリムもとてつもないプレッシャーを感じていることでしょう。ホームサポーターは、どのような反応をするでしょうか。苦しいチームを後押しするような雰囲気であることを、切に願います。私は、全力で応援します。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント