試合概況
どうも!マンチェスター・ユナイテッド研究所です。
今回は、10月25日(土)に行われたプレミアリーグ第9節・ブライトン戦の試合レビューを書いていきます。
結果は――4対2でユナイテッドの勝利!
直近のオールド・トラフォードでの試合では3連敗中と、苦手としていたブライトンを相手に、ついに勝ち切ることができました。
これでリーグ戦3連勝。暫定ながら順位を4位まで上げています。
後半にはブライトンに反撃を許す展開もありましたが、前半の躍動感あるプレーは今後への大きな期待を抱かせる内容でした。
選手たちの表情にも自信が満ちており、ようやく暗いトンネルを抜け出した――そう感じさせる一戦でした!
スタメン

リヴァプール戦からは2名を変更。
打撲の影響で欠場となったマグワイアに代わってヨロが、そしてマウントに代わってシェシュコがスタメン復帰を果たした。
マウントについては、コンディションを考慮し、出場時間を制限しての起用だった可能性もある。
前半
この試合でのユナイテッドは、いつもとは異なる守備配置を採用していました。
普段は2シャドーが最前線からプレスをかけ、ワントップの選手が中盤をケアする形が基本ですが、この試合では2シャドーの一角であるクーニャがやや下がり目の位置を取り、シェシュコとエンベウモが最前線でプレスを実施。
さらに、ブルーノとカゼミロが高い位置まで押し上げて、ブライトンの中盤に対して積極的にマークを行っていました。
また、ショウはルターに、デ・リフトはウェルベックに対して、マンマーク気味に高い位置までついていくことが徹底されていました。これにより、ブライトンの前線に自由を与えず、ビルドアップを制限する狙いが見られました。

この変更により、前半の途中まではブライトンのビルドアップに対して、マンツーマン気味に対応し、プレッシャーをかけることに成功していました。
ただし、途中からはウェルベックがかなり低い位置まで下がってビルドアップをサポートする形に修正され、ブライトンも対応してきました。
また、ブルーノとカゼミロが非常に高い位置にいることで、高い位置でボールを奪うことに成功し、チャンスを作ることができていました。
7分 ブライトンのチャンス。
キーパーからのビルドアップで、ファン・ヘッケが右サイドを持ち上がる。
ユナイテッドは人数こそ足りていたものの、ウェルベックへのパスを通され、ウェルベックはワンタッチでデ・リフトと入れ替わるように抜け出した。

ウェルベックはそのまま右サイドを駆け上がり、ミンテへのパスを狙ったが、ミンテの位置がオフサイド。
ユナイテッドとしては、前述の守備配置の影響でDFラインを高く保っていたため、裏への抜け出しを許すと、今回のように一気にピンチを招く形となってしまいますね。
16分 ユナイテッドのチャンス。
ウェルベックのシュートをラメンスがキャッチしたところから攻撃を開始。
ボールを引き取ったエンベウモが、巧みなボディコントロールでダンクと入れ替わる。
右サイドでフリーとなっていたアマドへスルーパスを送ると、アマドはスピードに乗ったままエリア内へ侵入。
カットインをデ・カイパーがファウル気味に止めたものの、判定はノーファウル。
それでもユナイテッドは集中を切らさず、セカンドボールを回収し続ける。
最後はクーニャが巧みなトラップからシュートを放ったが、フェルブルッヘンの好セーブに阻まれた。
アマドが倒されたシーン、デ・カイパーはボールに触れておらず、明らかなファウルによってアマドが倒されているにも関わらず、VARは介入せず。この判定には納得できません。なぜVARが介入しなかったのか、なぜPKにならなかったのかをPGMOLには説明してほしいと思います。
24分 ユナイテッドが先手を取ります。
デ・カイパーのクリアをブルーノが浮き玉でカゼミロへ。
カゼミロはルターとウィーファーに寄せられながらも、クーニャへ冷静にパスを通します。

パスを受けたクーニャがワントラップからファーサイドへ正確なシュート!
ボールはネットに吸い込まれ、ユナイテッドが先制!
クーニャにとっては嬉しいユナイテッドでの初ゴールとなりました!
30分 ブライトンの決定機。
デ・リフトがウェルベックに対して高い位置まで対応し、ボールを奪うことに成功。
しかし、その後のアマドへのスルーパスがずれ、デ・カイパーにカットされる。

そこから、ミンテ→ルター→ミンテとテンポよく繋がれ、ミンテがヨロをかわしてエリア内へ侵入。
ショウとクーニャが懸命に戻り、ミンテはシュートまで持ち込めず、ユナイテッドは事なきを得た。
クーニャが守備でもサボらず、ここまで全力で戻ってきてくれるのは本当に頼もしいです。
34分 ユナイテッドに追加点が生まれます。
ブライトンのビルドアップに対して、ユナイテッドがハイプレスを仕掛けます。連動して良いプレスが掛けられており、ファン・ヘッケからルターへの楔をショウが寄せて突っつきます。

こぼれ球に反応したカゼミロが、シュートを放つと、これがアヤリにディフレクションし、フェルブルッヘンの逆をつく形に。ボールはネットに吸い込まれ、ユナイテッドに待望の追加点が生まれました。
終盤にも、ブルーノの巧みなターンからシェシュコに決定機がありましたが、決めることができず。2-0のまま前半は終了。
この日のユナイテッドは、攻守ともに選手個々の気持ちを感じるプレーが多く、躍動感がありました。ピンチはありましたが、失点する気配を全く感じさせず、3,4点と取れそうな気配が感じられる前半でした。
後半
互いにメンバー交代はなかったものの、ブライトンはミンテとカディオールの立ち位置を入れ替えてきました。前半アマドの守備が良かったので、ボールウォッチャーになりがちなダロトのサイドにミンテを配置することで、ダロトの裏のスペースをつく狙いがあったものと思われます。
しかし、後半の立ち上がりもユナイテッドは非常にいい入りを見せました。
攻守ともにセカンドボールへの反応がよく、寄せも早かったのでブライトンに自由にビルドアップさせることなく、ミスを誘発するシーンが目立ちました。
61分 ユナイテッドに3点目が生まれます。
カゼミロのタッチが長くなったところをミルナーにカットされ、ファン・ヘッケからルターに縦パスが入ったところに、ショウが寄せ、ボールがダロトに転がります。

ダロトは、ダイレクトでシェシュコへ縦パスを当てると、シェシュコはファン・ヘッケの逆をついてターンし、エンベウモへ。

エンベウモはドリブルでエリア内に侵入すると、冷静にダンクの股を抜き、ニアサイドに突き刺しました。これで、3-0とリードを広げます。ショウのルターへのコンタクトは、通常ファウルになると思いますが、この試合は序盤から多少のコンタクトは流す傾向にありましたので、この日のレフェリングもこの得点の要因となりました。
勝利を確信したユナイテッドは、立て続けに選手交代。
65分、ショウに代わってヘヴン
70分には、アマドとカゼミロを下げてドルグとメイヌーを投入しますが、この交代は裏目に出ることに。
ドルグ投入直後の72分、ブライトンが1点を返します。
ユナイテッドのコーナキックの場面。ブルーノのキックをウィーファーに弾き返され、この浮き玉をドルグがエンベウモへダイレクトでパスを試みますが、このボールが短くなりワトソンにカットされます。

ワトソンは、ドルグの裏に走ったミンテへスルーパス。これに、後ろから倒してしまったドルグのファウルを取られます。このフリーキックを、ウェルベックに決められました。
きっかけとなったキックミスにしても、ファウルにしてもドルグの判断の悪さが出てしまいました。状況的に、DOGSOで一発退場もあり得ましたし、万が一退場になっていた場合、試合は大きく代わっていたでしょうから、ドルグには反省してもらわなければなりません。
この得点を機に、ブライトンは息を吹き返します。ユナイテッド側は、カゼミロがいなくなったことで中盤で潰しが効かなくなり、前線の疲れもあってハイプレスに行けず、押し込まれる展開が続きます。
81分 ユナイテッドの選手交代。
クーニャ、シェシュコに替えてウガルテとザークツィーを投入。中盤の守備強度、前線からのプレスが効かなくなっていたタイミングで、理にかなった選手交代でした。
押し込まれつつも耐えていたユナイテッドですが、1点差に詰め寄られます。
92分 コーナキックを途中出場のコストゥラスに合わせられました。ザークツィーがマークを外してしまい、フリーで合わせられてしまいましたね。これで、完全にブライトンの流れとなりました。大量得点で楽勝ムードが一変しました。
しかし、次にスコアを動かしたのはユナイテッド。
97分 ユナイテッドのスローインをカットされ、ミルナーがクリアしたボールがセンターサークルにいたヘヴンの元へ。これを、ダイレクトでブルーノへパスを送ると、ブルーノはこれをスルー。

反応したエンベウモが冷静にゴール右隅に突き刺し、ユナイテッドが試合を終わらせました。
試合終盤にあのシュートをふかさずに枠内に持っていくエンベウモも素晴らしいですが、あの場面で冷静にスルーできるブルーノはさすがでした。。。
このまま試合終了のホイッスル。終盤ブライトンに反撃を許しましたが、4-2でユナイテッドが勝利を収めました。
選手採点
ラメンス 6
全体的には安定したプレーを見せていたが、ウェルベックのフリーキックは防げた可能性もあった。また、失点後はキックにやや乱れが見られ、不安定さを感じさせる場面もあった。
ヨロ 6
安定感あるパフォーマンスを披露したものの、ミンテには苦労し何度か突破を許した。
デリフト 7
好調を維持。ウェルベックを徹底マークし仕事をさせなかった。
ショウ 8
ルターに対してタイトなマークで仕事をさせず、カゼミロのゴールをお膳立て。
→ヘヴン 7
うまく試合に入り、素晴らしいパスでエンベウモのゴールをアシスト。
アマド 7
WBとしてのプレーに安定感がある。守備も素晴らしく、攻守に貢献。
→ドルグ 4
不安定なパフォーマンス。結果的に失点につながるフリーキックを与えた。ビルドアップでも、マークされている選手に無理やり通そうとしてピンチを招く場面も。判断力、技術力ともに物足りなさを露呈。
カゼミロ 8
素晴らしいパスでクーニャのゴールをお膳立て。守備面でも的確なポジショニングでブライトンの攻撃の芽を摘み、今季ベストとも言えるパフォーマンスを披露した。
→メイヌー 6
オンザボールはさすがだが、守備面ではあまり貢献できず。
ブルーノ 7
GAこそつかなかったが、攻守に渡ってチームに貢献。カゼミロとともに高い位置を維持し、難しい役割を完遂。
ダロト 6
ミンテに手を焼いた。守備時のポジショニングも甘く、WBとしてのプレーにまだアジャストできていない印象。
エンベウモ 10
文句なしのパフォーマンス。試合終盤にも関わらず、シュートをふかすことなく試合を決定づけるダメ押しゴールを記録。さらに、高いアスリート能力を存分に発揮し、攻守両面でチームに大きく貢献した。
クーニャ 9
嬉しいユナイテッドでの初ゴールを記録。攻撃面だけでなく、守備では献身的なプレスバックを見せ、ピンチを防ぐ場面もあった。
→ウガルテ 採点なし
シェシュコ 6
アシストを記録。チームとして、もっとシェシュコにシュートを打たせてあげてほしい。
→ザークツィー 採点なし
まとめ
ようやく、長い長いトンネルを抜け出したかもしれません!
前節アンフィールドでのリヴァプール撃破に続き、苦手としていたブライトンを破っての3連勝。順位も6位まで浮上し、CL圏まではわずか1ポイント差と射程圏内に入ってきました。
ユナイテッドはこれまで、強豪相手に好ゲームを見せた後、次の試合で失速するケースが多く見られました。
しかし、このブライトン戦では全員が最後まで集中を切らさず、気持ちのこもったプレーを見せてくれましたね。
久しぶりに“躍動感のあるユナイテッド”を感じられる試合で、今季のベストゲームと言ってもいい内容でした。
リヴァプール戦、そしてブライトン戦と、2試合続けて内容と結果を伴う試合をできたことは、選手たちにとって大きな自信になるはずです。
また、アモリム監督にとっても重圧が少し和らぎ、チームとしての戦い方がようやく確立されつつあるように見えます。
この流れを継続できれば、CL出場権獲得も十分に現実的です。
次節はアウェイでのノッティンガム・フォレスト戦。
アウェイとはいえ、確実に勝たなければならない相手です。油断せず、しっかりと準備をして臨んでほしいですね。
ここから“強いユナイテッド”が戻ってくることを信じて――。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
 
  
  
  
  

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