試合概況
どうも!マンチェスターユナイテッド研究所です。今回は8月17日(日)に行われた、プレミアリーグ開幕節 アーセナル戦の試合レビューを書いていきます。
結果は、0-1でアーセナルの勝利。90分を通して、ユナイテッドがボール保持して主導権を握る、試合前の想像とは逆の展開になりました。決勝点となったCKからの失点については、議論の余地ありですが、十分に時間があった中で、得点を奪うことができず。毎年優勝争いをしているチームの勝負強さをまざまざと見せつけられました。
まず初めに。悔しい!この内容で負けるか、、、というのが一番ですね。そして、アーセナルが固かった。内容はユナイテッドではありましたが、こういう苦しいゲームで勝ち点3をとってくるアーセナルは、やはり優勝争いをしているチームだなと感じましたね。
ただ、ユナイテッドが昨季と見違えるほどに良くなっているという事実はかわりません。よかった動きや、気になった動きなどをこのレビューで振り返っていければと思います。
スタメン

ダロト以外は、予想通りのスタメンとなり、フィオレンティーナ戦からは2枚の変更となりました。フィオレンティーナ戦では、中央に預けどころがなく、ビルドアップが上手くいかなかったので、どのような修正を加えてくるのかが楽しみなスタメンでした。
前半
立ち上がりから、ユナイテッドの状態の良さが伺えました。特に、エンベウモとマウント、そしてデリフト。デリフトはめちゃくちゃ気合が入っているのが感じられるプレーが多かったですね。
6分 ユナイテッドのチャンスシーン。キーパーからのビルドアップの場面でヨロとバユンドゥルがパス交換しながら、前線の動きを待ちます。マウントが受けに下がってきたタイミングで、バユンドゥルがロングボールを通します。

マウントはホワイトに寄せられており、トラップが浮きます。浮いたボールに反応したクーニャが、サリバと競り合い、もう一度マウントに落とします。マウントは、素晴らしいタイミングで裏を狙っていたエンベウモへスルーパス。

ガブリエウ、カラフィオーリが二人で寄せてきたことで、カットインできずサイドに追いやられ、右足でのシュートには力が入らず、ラヤがキャッチ。ダロトの上がりが少し遅く、エンベウモ単騎での突破となってしまいましたが、ダロトも反応できていればと思うシーンでした。また、アマドなら、、、と思いましたね。
13分 ユナイテッドペースで進んでいたものの、アーセナルに先制点が生まれます。エリア内でカラフィオーリのグラウンダークロスをブルーノがカットしますが、タッチが長くなります。マルティネッリに寄せられたこともあり、近いヨロに出したところをカラフィオーリがカット。ウーデゴールにわたり、ウーデゴールのクロスをデリフトがブロックしコーナーに。
アーセナルは、セットの段階ではマルティネッリ、ウーデゴール、スビメンディ、ホワイト、サカがゴールライン上で横並びになります。対するユナイテッドは、サリバとガブリエウにはマウントとショウをマンマークで付けつつ、ゾーンで守ります。フィオレンティーナ戦同様、相手キーマンのマークがマウントになっているのはなぜなのでしょうか?
ゴールライン上に並んだ選手たちは、各自決められたポジションに移動し、ユナイテッドの守備を揺さぶります。

結果、マウントがサリバを抑えられず、サリバに妨害されたバユンドゥルがパンチング出来ずに流れたボールをカラフィオーリが押し込み、アーセナルが先制します。流れが良かっただけに、セットプレーでの失点は痛かったですね。また、スローで見るとサリバがバユンドゥルの腕を引っ掛けているように見え、ファウルでもおかしく無いシーンでした。ただ、バユンドゥルにはなんとか掻き出して欲しかったですね。また、マウントもサリバのマークにつくなら、キーパーに対してプレーしてくることはわかっていたでしょうから、自由にプレーさせないように守備をして欲しかったです。(そもそもなぜマウントがキーマンのマークについているのかは謎ですが、、)
16分 ユナイテッドに連動した良い攻撃がありました。ヨロからダロトに出した際、クーニャがサリバを引き付けて、ボールを受けれる位置まで降りてきました。その瞬間に、ブルーノが裏を狙いダロトが浮き球のパスを送ります。

エリア手前で胸トラップを試みたブルーノに、後ろからスビメンディが突っ込みファウル。ブルーノの個人戦術かもしれませんが、プレシーズンから誰かが開けたスペースを使う動きは見せているので、チームとして連動できている証拠だと思いました。フリーキックは、ブルーノが壁に当ててしまいました。距離が近すぎましたね。
25分 ユナイテッドのチャンスシーン。まず、カゼミロがウーデゴールからボールを奪います。

さらに、奪ったボールを逆サイドでフリーになっていたエンベウモへロングボールを通します。クーニャのニアへのランニングを囮に、カットインしてからシュートを打ちましたが、サリバがブロック。このシーン以外にも、エンベウモを右のワイドに張らせて、そこから攻撃を仕掛ける形は、よく見られましたね。昨季は、アマドがこの役割でしたが、今季はアマドもエンベウモもいます。相手にとっては厄介な左サイドが完成しました。
30分 ユナイテッドのチャンス。デリフトのマウントを狙ったクリアは、ホワイトにカットされますが、ホワイトからサカへのボールは、ショウが引っ掛けます。

そのこぼれ球を、ブルーノが左サイドのドルグへ。ドルグはそのままエリア付近まで持ち運ぶと、ミドルシュート。ファーポストに嫌われます。

33分のクーニャのドリブルも痺れましたね、、、何が起きたのか、なぜ抜けたのかわかりませんでした。あそこを一人で突破できるのは、心強いですね。
34分 これまであまり見せていなかった形で、チャンスに繋げます。バユンドゥルが持った際に、デリフトが中盤に上がる形でしたが、デリフトがウーデゴールを引き付けて左側にずれました。ブルーノはボールを呼び込むと、結構狭かったですがバユンドゥルはブルーノへパスを通しました。

難しいボールをさすがの技術で収めたブルーノは、右に持ち出しながら、抜け出したエンベウモへ浮き玉のパスを送ります。

エンベウモは、ワンタッチでクーニャへ。クーニャのシュートは、コースが甘くラヤにキャッチされます。

プレシーズンでは、キーパーから直接ブルーノという形は見せてきていなかったと思います。後半にも似た形があり、プレシーズンでは温存していたか、アーセナルのスカウティングから生まれたプレーなのかは分かりませんが、最短距離でゴールに迫るいい形でした。
38分には、マウントとの連携からクーニャが決定機を迎えますが、ここもラヤがスーパーセーブ。
その後もユナイテッドがチャンスを作りますが、得点は生まれず前半終了。
全体を通してヨロの立ち位置が、プレシーズンに比べて内側だったのが気になりました。また、プレシーズンはキーパーからヨロに直接渡すシーンが多かったように思いますが、この試合はキーパーから上がったデリフトや、落ちてきたブルーノを経由して、ヨロをフリーで受けさせようとする動きが目立ったように思います。やはり、ヨロはビルドアップのキーマンとなっていきそうですね。
後半
お互いにメンバー交代なくスタート。初期配置は変わらなかったですが、マウントがワイドに開きドルグが内側をとるような動きが増えます。それに伴って、ショウの攻め上がりも増えたような気がしますね。
49分 早速ユナイテッドがチャンスを作ります。ダロトからフリーで受けたカゼミロが、左足でサイドに張っていたドルグへパスを通します。

ドルグはサカに寄せられますが、上がってきたショウに落とすと、ショウとドルグの連携で左サイドを突破。

ショウのクロスにマウントが合わせましたが、ブロック。こぼれ球に再びマウントが反応し、逆サイドへパスしますが、エンベウモは反応できず。
55分 ユナイテッドの選手交代。ダロトに変えて、アマドを投入。点をとりに行く采配を見せます。
56分 また34分のシーンと同様、キーパーからブルーノ、ブルーノからエンベウモへのスルーパスがありました。通らなかったですが、アーセナルのハイラインを意識したプレーだったように感じました。
64分 ユナイテッドの選手交代。マウントとカゼミロに変えて、シェシュコとウガルテが入ります。ビルドアップは申し分なく、チャンスも作れている状況だったため、シェシュコが選ばれたか。もしビルドアップに苦戦していたら、ザークツィーが選ばれていたのではと感じました。
69分 ユナイテッドのチャンスシーン。バユンドゥルが持った場面で、ホワイトを背負いながらクーニャが受けに落ちてきます。バユンドゥルは、見事クーニャに届けます。

クーニャはヒールで反転。ホワイトと入れ替わり、ゴール前までドリブル。シェシュコが、ニアに走ったことで、ガブリエウとカラフィオーリを引き付け、クーニャは倒れながら逆サイドのエンベウモへ。

エリア内でエンベウモはシュートを打ちますが、アーセナル守備陣が体を張ったディフェンスで防ぎます。クリアボールを拾ったヨロは、右に流れていたブルーノへパスを出すと、ブルーノはクロスを選択。ワンバウンドした難しいボールでしたが、エンベウモが右足でオーバーヘッドで合わせます。これは惜しくも枠外。
73分 ユナイテッドのチャンスシーン。ブルーノから受けたウガルテのタッチが長くなり、スビメンディに引っ掛けられます。こぼれ球がウーデゴールに渡ってしまいましたが、ブルーノがいち早く危険を察知し、体を寄せてデリフトに繋ぎます。

デリフトは、絶妙なタイミングで受けにきたクーニャへ。

クーニャは、ドリブルでボックス手前まで運び、ティンバーを引き付けて左サイドでフリーになったドルグへ。

ドルグがクロスを上げるタイミングで、シェシュコがもの凄い勢いでニアに飛び込んできました。それが囮となりファーサイドのエンベウモがヘッド。いいコースに飛びましたが、ラヤのスーパーセーブ。
80分 ユナイテッドは、ショウに変えてマグワイアを投入。マグワイアを真ん中、デリフトを右、ヨロを左にポジションを変更します。
81分 ウガルテのバックパスが直接ハヴァーツ渡ってしましましたが、マグワイアがファウルで止めことなきを得ます。ウガルテは、技術的なミスが非常に多いです。ここが、ビッグゲームでカゼミロが優先して使われる要因でしょう。
また、このFKの際のコミュニケーションも気になりました。バユンドゥルがずっと壁の選手に何かを伝えようとしていたのですが、誰一人振り返らず。壁の位置を見ると、内側に寄りすぎていて、ライスが巻いて蹴れそうな位置にいました。バユンドゥルはそこを修正したかったんだと思いますが、修正できず。結果的に、ドルグが触れて枠を外れましたが、ドルグに触れていなければ危なかったと思います。壁を作る際は、誰かはキーパーからの指示を受けて作るのが普通だと思っていたので、今後が心配になりました、、、
その後も、シェシュコのポストプレーからウガルテのミドル等、ユナイテッドが押し込み続けますが、得点を奪うには至らず。0-1のまま試合終了のホイッスル。再起を目指すシーズンを黒星スタートとなりました。
選手採点
バユンドゥル 6
失点シーンは弾いて欲しかったですが、やれることはやっていた印象。また、重要なキックを何本か通していて、こんなに足元あったっけ?と思いました。選手の立ち位置を整備した結果かもしれませんが、だとするとオナナが復帰して以降はさらに良くなりそうですね。
ヨロ 7
90分を通して、攻守両面で素晴らしかったです。特に攻撃面では、ビルドアップの中心としてパスを散らし、チャンスに絡み続けました。
デリフト 8
魂を感じました。対面のギョケレシュに自由を与えないように、かなり高い位置までギョケレシュについていき、潰し続けていました。アヤックス時代を彷彿とさせる活躍でした。この調子を維持できれば、CBの補強は不要かもしれませんね。
ショウ 7
安定していますね。昨季はWBの方がいいと感じていましたが、CBとしてもコンディションを上げてきており、リチャが復帰してからも重用されそうです。
→マグワイア 6
そつなくプレー。今季のハイライン、ハイプレスの戦術は、マグワイアが輝くかもしれません。今日デリフトが見せたプレーは、マグワイアも得意とするプレーです。今日の試合を見て、マグワイアとの契約延長を検討しているのも納得です。
ダロト 6
悪くはなかったのですが、攻撃面で若干物足りなさを感じさせました。交代ででたアマドの方が、エンベウモとの相性も良さそうで、次節はベンチスタートとなりそう。今後は、強豪相手で守備を重視する時に出番が与えられそうです。
→アマド 7
結果論ですが、スタメンで出るべきだったと思います。アマド、エンベウモの左サイドは流動的にポジションチェンジしながら、フォローし合える関係性を築きつつあり、試合をこなす度によくなっていきそうですね。楽しみです!
カゼミロ 6
経験を活かした読みで、攻撃の芽を摘む働き。展開力の面でもウガルテを上回っており、先発起用に応えた。
→ウガルテ 5
技術面で不安。タッチが大きく相手に詰められたり、なんでもないバックパスをミスしたり、気になるところが目立った。まだシーズンは始まったばかり。盛り返してほしい。
ブルーノ 7
攻守両面で活躍してくれました。難しいボールも綺麗に収めるなど、さすがの技術を披露。今季も、怪我なく活躍し続けてくれることを願っています。
ドルグ 7
前半のポスト直撃のミドル含め、攻撃面で昨季より大きく改善。昨季から一番伸びている選手と言えそうです。この調子を維持してくれれば、左WBの補強は不要ですね。
エンベウモ 7
収まりすぎ!ボールの落下地点を予測するのがうまく、相手より先にポジションが取れているので、背が低くても体を入れてキープすることができています。今からネーションズリーグで抜けるのが怖いです、、、
クーニャ 7
とんでもない突破力、キープ力を披露。「それキープできるの!?」というシーンが多々ありました。守備も上手いですし、ユナイテッドの10番としていうことなしです。
マウント 7
やはり、技術面で優れていることを証明しました。今季こそは、怪我なく活躍を続けてくれることを、切に願います。
→シェシュコ 6
それほどボールに絡むことはなかったですが、期待感ある動きとポストプレーを披露。コンディションは良さそうで、次戦スタメン起用もありそうですね!
まとめ
本当に悔しい敗戦となりました。内容では圧倒したと言っていいと思いますが、勝てなかった。この内容で勝ち点3を取ったアーセナルはさすがというべきでしょう。ユナイテッドは、下を向く必要はありません。プレシーズンで見せていた内容よりもさらにアップグレードしているように感じました。プレシーズンで見せたベースに、チームごとにスカウティングした戦術。しかも、アーセナルを相手にこの内容。選手たちも自信をつけることができたんじゃ無いでしょうか。選手たちのアモリムへの信頼もより深まったのでは無いかと思います。
また、アーセナル相手に90分間ハイプレスを成立させられたのは非常に大きいと思いました。連動した守備で、一人躱されてもカバーがいる状況がしっかり作れていて、アーセナルに主導権を渡しませんでし。守備面だけでなく、選手全員から戦う姿勢が感じられ、昨季感じられなかった「一体感」を感じましたよね。
これが、アーセナルという強豪相手だから、でないことを願います。笑
ここ数年のユナイテッドは、強豪相手にはいい勝負をしながら、格下相手に取りこぼすシーズンもありましたので、次節のフルアム戦でも同じようなテンションで臨んでほしいと思います。そして、起爆剤となるような勝利を飾って欲しいですね。
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