【試合レビュー】EL決勝 トッテナムvsマンチェスターユナイテッド(2025/05/21)

試合概況

現地時間5月21日(水)、EL決勝 トッテナム戦がサンマメスで行われました。まさに”All or Nothing”となったこの一戦、ボールを握るユナイテッドに対してカウンター狙いのトッテナムという構図になりました。前半、ビルドアップを引っ掛けられたところからトッテナムに先制を許し、その後ユナイテッドが圧倒的に押し込む展開になりましたが、実らず。0-1で敗れ、来季CL出場権獲得とはならず。この記事では、この試合のレビューを書いていきます。

スタメン

概ね予想通りのスタメンとなりましたが、ヨロはスタメンで出場。チェルシー戦のスタメンからリンデロフに変わってヨロのみの変更となりました。ガルナチョとウガルテは、ここまで決勝進出に貢献してきていましたが、決勝戦でベンチスタートとなりかなり悔しいでしょう。ガルナチョに関しては放出の噂もありますが、私としてはこの悔しさを胸に来季も残ってもらい、課題(決定力・突破力など)を解決しさらに一皮剥けてほしいと願います。

※精神的に試合を見返すのが辛いので、簡素なレビューとなること、ご了承ください。その代わりに、まとめに色々と綴っているので、そちらをご覧いただけると幸いです。

前半

繋ぐユナイテッド。縦にはやいトッテナムという構図で進みました。

トッテナムは、思っていたほど前線からプレスはかけてこなかったのですが、ユナイテッドの横パスを意図的に狙っていたように思います。
先制点のシーンでも、ブルーノの横パスをカットされ、最後ジョンソンに決められています。
他のシーンでも、カゼミロやマグワイアが横パスをカットされてピンチを招いたり、ショウの横パスも何度か引っ掛けられそうなシーンがありました。かなり多かったので、チームとしての狙いだったものと思われます。

対するユナイテッドは、トッテナムがそれほどプレスに来なかったこともあり、悪くない立ち上がりだったと思います。マウントは消えていましたが、アマドは目立ってましたね。右からチャンスを作る展開が続きました。また、中盤はカゼミロとブルーノが縦関係になっていることが多く、前半終了間際にカゼミロのワンタッチからチャンスを迎えましたが、決められず前半終了となりました。

後半

後半に入り、ビハインドを背負ったユナイテッドが、さらに攻め立てる展開が続きます。特に、マウントが目立ち始めました。受けにくるタイミングもいいですし、裏を狙う動きで中盤にスペースを作ったりと、非常に良かったと思います。
ただ、ブルーノを徹底マークされていて、ブルーノのパスをカットされるシーンが多く、押し込みながらもチャンスらしいチャンスは作れないまま、時間が経過します。

2度ほどあった決定機も、ヴィカーリオ、ファンデフェンにそれぞれ防がれ万事休す。リヨン戦のような奇跡を起こすことができず。トッテナムにタイトルを明け渡す形となりました。

まとめ

負けました。今季無冠、リーグ16 or 17位。今後降格しない限り、これ以上悲惨なシーズンはないでしょう。

”マンチェスターユナイテッド”といえば、10数年前まではプレミアリーグの帝王と言っても過言ではありませんでした。リヴァプールに並ばれましたが、リーグ最多優勝を誇り、圧倒的な強さで毎シーズン優勝争いは当たりまえ。そんなチームでしたが、今のユナイテッドには見る影もありません。

それもそのはず。ファーガソンは27年間ユナイテッドの監督であり続けました。今ほど細かい戦術があったわけではありませんが、27年同じ監督の元でサッカーをしていたわけです。それだけ積み上げてきたものが、ユナイテッドをプレミアリーグの帝王たらしめたわけです。
ファーガソン引退後、たったの12年でモイーズ→ファンハール→モウリーニョ→スールシャール→テンハグ→アモリム(暫定除く)と6人も監督が変わってきています。しかも、一貫性・基準はなくその時良さそうな監督を連れてくるみたいな人事ばかり。監督が変わるたびに、リセットされ積み上げは皆無という状態を12年続けてきました。今の状況は、そうしたクラブの場当たり的な人事によって出来上がっています。

大前提、私はアモリムも現フロントも信じています。その上で、アモリムを選んだのもチームに合うから、テンハグのやってきたサッカーに積み上げ、昇華させられるから、といった分析からではなく、明らかに”若く、革新的でいいサッカーをしているから”選ばれたのだと思っています。つまり、これまでと同じようなプロセスで選ばれたわけです。つまり、またリセットされた状態から、1から積み上げていっている状態ということです。実際に、テンハグからアモリムに変わってからも全く好転しませんでした。むしろ、結果だけを見れば悪化していますが、考えれば普通のことです。フォーメーションも違えば、考え方も違い、守り方も、攻め方も、選手個々に求められるスキルも違う。何も共通点がないわけです。今季の結果は、なるべくしてなったと思います。

さらに、来季は補強予算が限られています。アモリムとしても、選手の入れ替えは最低限しかできないことを覚悟していると思います。来季もV字回復はあり得ないでしょう。良くて5~6位、7~10位フィニッシュが妥当。復権までの道のりは、ベラダCEOが言っていたように、5年くらいはかかるでしょう。そういう覚悟で我々もみていかなければならないと思います。怪我の功名は、若手選手にそれなりの経験を積ませることができたことでしょう。最低限、アモリムが必須と感じるポジションは補強して、他のポジションは若手を育てながら積み上げていく。来季も厳しいシーズンとなるかもしれませんが、それでもアモリムに託して、積み上げていってほしいと思います。

最後に、この試合負けはしましたがアモリムのやりたいことがそれなりにやれている試合だったと思っています。ほんの少しかもしれませんが、好転の兆しが見えてきていると感じます。上述の通り、過度な期待は禁物ですが、プレシーズンでしっかりとアモリムの元トレーニングされた来季こそは生まれ変わったユナイテッドが見られることを、期待したいと思います。
次戦は、週末のアストンヴィラ戦。CL圏を争うヴィラと、意気消沈のユナイテッド。リーグ最終節、果たしてどのような試合になるのでしょうか。せめて最後は勝ってほしいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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