【試合レビュー】EL準決勝1stレグ アスレチックビルバオvsマンチェスターユナイテッド(2025/05/01)

試合概況

現地時間5月1日(木)、EL準決勝1stレグ アウェイ”サンマメス”でのアスレチックビルバオ戦が行われました。序盤の劣勢を凌いだユナイテッドは、判定に助けられた部分もありますが、結果は0-3で完勝。この記事では、この試合のレビューを書いていきます。

スタメン

ボーンマス戦から2枚の変更に留まりました。ショウとメイヌーに代わって、リンデロフとウガルテが先発。ショウは、しばらく1試合おきに先発起用されるみたいな感じになりそうですね。先発が発表された時は、リンデロフでニコ止められるのかな、、、と心配になりました笑 概ね、皆さんの想像通りのスタメンだったのではないかと思います。
そして、ベンチにディアロが復帰しました!嬉しい!

前半

序盤から、アスレチックはかなり高いラインを敷いてハイプレスを仕掛けてきました。ユナイテッドは、いつも通りプレスを掛けられパスミスを連発し、劣勢を強いられます。

5分 ユナイテッドが、劣勢の中でチャンスを作ります。右サイドでアスレチックのスローインを奪ったところから、ブルーノ→ウガルテと繋がり、ガルナチョへのスルーパスが通ります。アルバレスのスライディングを躱し、ガルナチョがシュート。ゴールネットを揺らしますが、わずかにオフサイドの判定。

7分 ビルドアップの場面で、ブルーノからパスを受けたウガルテが、プレスを受けてデガラレタにボールを奪われます。サナディ→ベレンゲルと繋がれ、ベレンゲルのミドルシュート。足を滑らせながら枠に飛ばしましたが、オナナがセーブ。その後のコーナーは凌ぎました。

11分 またユナイテッドのビルドアップのミスから、ピンチを招きます。自陣深い位置で受けたウガルテが逆サイドのマズラウィに届けようとしたボールをニコにカットされます。これはカゼミロがカットしましたが、すぐにビビアンに奪い返され、左サイドに流れたサナディへ。仕掛けながら、ベレンゲルへ落とし、ベレンゲルのクロスは、イニャキにドンピシャで合わされますが、枠外。決まっていてもおかしくないシーンで、助かりました、、、

19分 またしてもアスレチックのチャンスシーン。キーパーからのボールをカゼミロとニコが競り合ったこぼれ球をハウレギサールに拾われると、高い位置に上がっていたドルグの裏に浮き玉のパスを通され、イニャキに渡ります。イニャキのクロスに最後はベレンゲルが合わせましたが、リンデロフがブロック。よく体に当てました。

ベレンゲルはいい選手ですね。初めて観ましたが、ここまでのチャンスというチャンスほぼ全てに関与しています。

30分 ユナイテッドに待望の先制点が生まれます。左サイドでブルーノが蹴ったボールは一度カットされますが、ガルナチョが奪い返し右サイドに開いていたマグワイアに付けます。マグワイアはウィンガーバリのキックフェイントでハウレギサールを躱しクロスを上げると、ウガルテがファーに流したボールを、カゼミロが押し込みユナイテッド先制。マグワイアがこんなプレーをするとは誰が予想したんでしょうか笑 アスレチックのハイプレスに苦しい展開を強いられていましたが、いい時間帯に先制する事ができました。また、カゼミロの嗅覚はさすがですね。

35分 この試合を決定づけるシーンが訪れます。アスレチックのキックオフをウガルテが奪ったところから、ホイルンド→ガルナチョと繋ぐと、ガルナチョは体勢を崩しながらもキープし右サイド上がってきたマズラウィへ。このシーンでガルナチョの支え手にボールが当たっていましたが、支え手のためノーハンド。マズラウィの鋭いクロスにホイルンドが合わせようとしたところ、ビビアンがホイルンドを引っ張り倒します。一度はノーファウルの判定でしたが、オンフィールドレビューの結果、PKの判定。ビビアンには、レッドカードが提示されます。厳しい判定ではありますが、あのシーンを切り取ってみた場合、かなり強い力で引っ張っているように見え、キーパーとの一対一で決定機を阻止したことになり、DOGSOの要件は満たしているように思えるので、オンフィールドレビューになったのであれば、レッドは妥当と思いました。
このPKはブルーノがキーパーの逆をつき、ユナイテッドが追加点を挙げ、残り時間数的優位となります。

39分 アスレチックに決定機。キーパーからのボールをカゼミロがカットしますが、マズラウィからボールを受けたマグワイアのトラップが乱れ、雑になったボールをカゼミロがバックパスしようとしますが、ミートせずニコに奪われます。そのまま運ばれてシュートを打たれますが、戻ったマグワイアがブロックし、コーナーに逃れます。

42分 アスレチックはこのタイミングで2枚替え。デマルコス、ベレンゲルに変えてゴロサベルとパレデスを投入し、守備を調整してきました。明らかに、キーマンだったベレンゲルを下げたのは謎で、結果論ですがめっちゃ助かりました。

45分 ユナイテッドに追加点が生まれます。カゼミロがセンターサークルからウガルテにいい縦パスが入ります。ウガルテはワンタッチでブルーノへ。ブルーノからホイルンド→ウガルテと繋ぎウガルテがヒールで落とすと、抜け出したブルーノがキーパーとの一対一を制し、ネットを揺らします。数的優位とはいえ、いい攻撃でした。なぜこれがリーグでできないんでしょうか笑

49分 左サイド抜け出したドルグからブルーノが受け取ると、マイナスのクロス。ウガルテがホイルンドへパスを狙いましたが、カットされコーナー獲得。ブルーノが蹴ったボールのこぼれ球にマズラウィがシュートを狙いますが、これはクロスバーに阻まれたところで、前半終了。

序盤は明らかにアスレチックペースで、厳しい試合を覚悟していましたが、守備陣の頑張りもあり無失点に抑え、ビビアンの退場もあり3得点。完璧な前半だったのではないでしょうか。ガルナチョは果敢に仕掛け、ファウルを獲得していましたし、ホイルンドもよく収まっていました。ウガルテのポジショニングもよく、攻守で光っていましたね。

後半

53分 カゼミロから左サイドで張っていたドルグにパスが出ると、ブルーノとのワンツーで突破。グラウンダーの良いクロスを入れましたが、あと一方ガルナチョは触れず。

数的優位ながら、4-4-1でブロックを組んでくるアスレチックの守備を崩せない展開が続きます。ボール保持はできるものの、引いた相手を崩せないユナイテッドの課題が露呈する形になりました。ユナイテッドはテンハグの時からそうでしたが、元のフォーメーションをあまり崩さず、選手の連動したポジション修正などもあまりないため、前線の人数を増やしたりする工夫がなく、数的優位を感じさせない戦いになることが多いのが気になります。とはいえ、アスレチック側もベレンゲルが下がってからはいい形での攻撃ができておらず、ウィリアムズ兄弟へもなかなかボールをつなげない状況で攻めあぐねていました。もし、アスレチックにベレンゲルがいた場合、もっと違った展開になったような気がします。

62分 後方からのビルドアップで、マグワイアから少し高めに位置取ったマズラウィへパスが出ると、ワンタッチでホイルンドの前のスペースにスルーパス。エリア内でキープし、マイナスのボールをウガルテに届けます。フェイントで交わしてシュートを打ちますが、キーパー正面。

63分 ロングボールからチャンスを作ります。カゼミロのロングボールにブルーノがアルバレスに競り勝ち、落としたボールにウガルテが反応。ドルグに繋いだところから、ブルーノ、マズラウィ、逆サイドのガルナチョとパスが繋がります。ガルナチョはエリア内で切り返し、マズラウィにリターン。マズラウィの落としにカゼミロがダイレクトシュートを打ちましたが、アギレサバラがセーブ。コーナを獲得すると、ブルーノがニアにあげたボールにカゼミロが合わせましたが、ポストに嫌われました。

65分 ユナイテッドは2枚替え。マグワイアとウガルテに代えて、デリフトとマウントが投入されます。ブルーノが一列下り、マウントがシャドーに。追加点を狙いに行きつつ、一部主力を休ませるような交代となりました。ウガルテも高めの位置を取っていましたが、同じ役割をブルーノが担うことで、より攻撃的になりました。

74分 ユナイテッドはマズラウィを休ませ、ショウを投入。リーグ戦も睨んだ交代となります。今回は、ショウをWBで起用してきました。私はショウをWBの方が適性が高いと思っているので、楽しみです。

81分 ドルグが高い位置を取ったことでチャンスを作ります。センターサークル付近からブルーノが高い位置に張っていたドルグへフィードを送ります。そこからリンデロフ→カゼミロと繋ぎますが、カゼミロのパスをカットされます。ベルチチェが中央に戻したボールをブルーノがプレスをかけて奪い、ホイルンドとのワンツーでシュート。アギレサバラがセーブ。こぼれ球に反応したドルグ→カゼミロと繋ぎ、カゼミロは良いクロスをキーパーとディフェンスの間に入れますが、触れず。

83分 ブルーノからスルーパスを受けたショウが左サイド深い位置から、正確にガルナチョの足元へクロスを届けますが、ガルナチョのシュートはキーパー正面。ショウのキック精度はさすがです。

84分 ユナイテッドがさらに2枚替え。ドルグ、ガルナチョに代えてディアロ、メイヌーを投入。ディアロが復帰しました。16試合ぶりの復帰となります。今日は出場しないと思ったのですが、出してきました。アモリム監督はディアロを相当信頼しているように思えます。

86分 またしてもショウがチャンスを演出します。カゼミロの縦パスをブルーノが上手くホイルンドへ渡すと、メイヌー→ショウと左サイドへ展開。ダイレクトでグラウンダーのクロスを入れると、ブルーノが合わせましたが、枠外。いい崩しのシーンでした。結果論になりますが、後半の早い段階から、このようなぶ厚い攻撃ができていれば、追加点取れたと思うんですが、、、

その後は、復帰戦とは思えないディアロのキレキレのドリブルなどで惜しいシーンは作りましたが、最後まで追加点を奪えずに試合終了。

選手採点

オナナ 7
それほどセーブを強いられるシーンはなかった。プレスをかけられても、落ち着いたボール捌き。調子を取り戻してきている。

リンデロフ 7
ニコのサイドで先発と聞いた時は不安でしたが、マズラウィとうまく対応。正確なパスで貢献した。

マグワイア 8
ウィンガー顔負けの素晴らしいドリブル、クロスから先制点を演出。攻守ともに穴のないパフォーマンス。

ヨロ 6
守備面で安定していた。監督の指示かもしれないが、もっと攻め上がるシーンが見たかった。

マズラウィ 7
安定のパフォーマンス。終始ニコを封じ込めた。攻撃面でもタイミングの良い攻め上がりで貢献。

ウガルテ 8
序盤から高い位置からプレスをかけてチャンスを演出。攻撃面では、狙われていた感があり、プレスをかけられて奪われるシーンも目立ったが、それ以上に守備面での貢献が光った。

カゼミロ 8
ブルーノとの縦関係で何度もいいボールを供給。数的優位に立ってからは、より積極的に攻撃に絡んだ。セットプレーのターゲットとしても機能。完全に復調したか案があり、頼もしい。

ドルグ 6
数的優位になるまでは、狙われていた感がありハイプレスに苦しみボールロストが目立った。今のパフォーマンスだと、ショウがファーストチョイスとなりそう。

ガルナチョ 7
気持ちが入っているように感じた。突破は多くなかったが、仕掛けからファウルをもらいチャンスを演出。シュートチャンスのシーンで馬鹿正直に打ちすぎていて、キックフェイントを使えるようになるともっと得点が増えていくのでは。

ブルーノ 10
今のユナイテッドで、ここまで安定して活躍できるのは、すごいの一言。一試合の中でボランチとシャドーどちらも担う試合が多いが、遜色なくプレーしており、ありえないがもう一人ブルーノがいればチームは別次元になりそう。笑

ホイルンド 8
今日もよく収まっていた。G&Aこそなかったが、PK奪取もあり勝利に大きく貢献。このまま調子を維持してほしい。

まとめ

本当にELとリーグでは別チームですね笑。今回の試合はサンマメスで引き分けで御の字と思っていましたが、0-3で完勝。判定による部分も大きいですが、決勝進出に大きく近づく勝利となりました。試合終了後のサンマメスの雰囲気、最高でしたね。敵ながらあっぱれ。オールドトラッフォードでも、同じような雰囲気を作って、ユナイテッドを後押ししてほしいと思います。準決勝のもう一試合は、トッテナムが3-1で勝利し、プレミア勢での決勝が現実味を帯びてきました。油断は禁物ですが、2ndレグも期待しましょう。次戦は、中二日でブレントフォードとのアウェイゲームです。ターンオーバーが予想されますが、調子を落とすことがないようにだけ気をつけて欲しいと思います。22時からと比較的見やすい時間帯ですので、皆さんで応援しましょう!
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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