試合概況
現地時間5月8日(木)、EL準決勝2ndレグ ”オールドトラフォード”での大一番。アスレチック戦が行われました。1stレグ同様、序盤はアスレチックのハイプレスに苦しみビハインドからスタートしましたが、選手交代を起点に終盤4得点を奪い、逆転勝利。無事、サンマメスでの決勝に駒を進めることができました。この記事では、この試合のプレビューを書いていきます。
スタメン

ディアロの先発を予想していましたが、アモリム監督は1stレグと同じメンバーを先発させてきました。1stレグは、数的優位に立つまで劣勢だったため、メンバーを変えてくると思っていましたが、意外でした。スタメンを見た時から、またハイプレスに苦しむんじゃ、、、と予感していました、、、
前半
序盤、予想通りというべきか、アスレチックのプレスに苦しみ自分たちのミスでボールを失う展開が続きます。何度かかろうじて前線まで繋がることもありましたが、劣勢を強いられます。特に、ボランチとWBをタイトにマークされることで、後ろ向きでボールを受けることが多く、前進できずにやり直すシーンが目立ちました。
9分 自陣深い位置でのスローインからチャンスをつくられます。スローイン自体はブルーノがクリアしたものの、セカンドボールをデガラレタに拾われると、ファーサイドにハイボールを供給。マズラウィがクリアしきれずにルーズボールになったところを、ゴメスに拾われ、落としたボールにベレンゲルがシュート。マグワイア、リンデロフ、マズラウィがしっかりとコースを消せていたので、枠外。
13分 アスレチックの攻撃をクリアしたところから、最前線に残っていたガルナチョがハイボールに競り勝つと、落としたボールをウガルテがダイレクトで前線へ。このボールは、アギレサバラの素晴らしい飛び出しで防がれます。
16分 マグワイアが倒されて得たフリーキックからユナイテッドにチャンス。カゼミロが前線のブルーノに届けると、前を向いてガルナチョにスルーパス。ファーストタッチが長くなってしまい、飛び出してきたアギレサバラが先にボールを納めました。
21分 カゼミロがカットしたところから、ホイルンド→ブルーノ→カゼミロと繋がり、左サイドでフリーのドルグへパスが通ります。ドルグからガルナチョへ出したパスは短くなり、ゴロサベルに奪われます。ジャロ→ベレンゲルと繋がれると、ベレンゲルに突破を許しシュートを打たれますが、枠外。
ドルグのパスが短くなる、ズレるといった部分は課題ですね。スピードアップしようとしたところでこのようなミスがあると、一気にカウンターを喰らってしまうので修正して欲しいところです。
アスレチックは、中盤の距離感がよくセカンドボールの回収もスムーズでゲームを支配してはいますが、前線の主力3名を欠いていることもあり、攻めあぐねる展開が続きます。サンセト、ウィリアムズ兄弟がいたら随分と展開が変わっていただろうなと思いながら見ていました。
30分 ユナイテッドのいいビルドアップからチャンス。オナナからヨロ、ドルグとシンプルに繋ぐと、降りてきたブルーノへパス。ドルグからのパスはずれていましたが、ブルーノがうまく納め腰を捻りながら無理やり最前線のホイルンドへ楔を通します。これを潰されながらホイルンドがカゼミロに落とすと、左サイド抜け出したドルグへスルーパス。縦に運び、ガルナチョへクロスを送りますが、ベルチチェが戻ってクリア。ブルーノのホイルンドへの楔は痺れましたね。また、ドルグのクロスは惜しかったですが、中で待っていたのはガルナチョだったので、グラウンダーの方が良かったのではと思いました。
31分 アスレチックに先制を許します。ロングボールをの競り合いからマグワイアがヨロに出したボールがズレると、ジャロに拾われシュート。このボールはヨロがブロックしたものの、跳ね返ったボールがハウレギサルに渡り、右足で見事なコントロールショットを沈められました。オナナに責任があるわけではないですが、このシーン両手でセーブに行っており、デヘアのように右手だけを伸ばしてセーブに行っていれば届いたのではないかと思いました。
36分 カゼミロが奪ったボールをウガルテが拾い、前線に運びます。潰されながら右サイドに開いたガルナチョへ渡すと、中へ折り返します。このボールにブルーノとドルグが重なり、ドルグがシュートを打ちますが、ブロックされます。ブルーノがダイレクトで打った方がチャンスになりそうなシーンでしたが、、、
43分 ユナイテッドに決定機。ジャロのパスをウガルテが引っ掛けたボールをホイルンドが拾うと、前線に残っていたドルグへ。ドルグはターンして前を向くと、斜めに走ったガルナチョへスルーパスを通します。ガルナチョはキーパーと一対一になりますが、ループシュートを選択し枠外。これは決めないといけないシーンでした。
その後はお互いに攻めあぐね、前半終了。1stレグと同じような前半でした。アスレチックとしては、プラン通りの前半だったのではないかと思います。たらればですが、主力が揃っていたら、もっとリードを広げられていた可能性が高い内容だったのではないかと思います。
後半
お互いメンバー変更なく、後半スタート。前半の序盤と同様、アスレチックがいい入りを見せます。ユナイテッド陣内まではスムーズに前進してきますが、最後のところが合わず。右サイドのジャロを使って攻撃するシーンが目立ちましたが、シンプルなクロスで合わせる選手がいないためそこまでピンチを招くシーンもありませんでした。
62分 お互いに3枚替えを行います。アスレチックはゴロサベル、デガラレタ、ジャロに代えてデマルコス、ディアス、オラバリエタを投入。ユナイテッドはウガルテ、ガルナチョ、マズラウィに代えてマウント、ディアロ、ショウを投入してきました。
64分 早速ディアロがチャンスに絡みます。右サイドにポジションを移したドルグとのパス交換から抜け出し、斜めに仕掛けたところからシュートを打ちますが、ブロック。ディアロはボールを失わないですし、持ったら期待感があります。
67分 アスレチックはさらに選手交代。ゴメスに代えて、長身のグルセタを投入。わかりやすくクロスに合わせられる選手を投入してきました。
70分 敵陣に押し込んだ状況から、高い位置でヨロが攻撃に絡み出します。ヨロがホイルンドに当ててワンツーでゴール前に迫り、右サイドのディアロにパスを出しますが、これは流れます。ディアロは警戒して2人寄せてきたところをヨロにリターン。エリア内でブルーノへ落とし、ブルーノがシュートを打ちましたが、ブロックされます。
72分 ユナイテッドがようやく同点に追いつきます。ディアロのクロスをマウントが触ったところから、ショウ→ヨロと繋がると、キックフェイントからエリア内に仕掛けていき、マウントへパス。マウントはうまくターンし、右隅にシュートを沈めました。
直接関与はしていませんが、ディアロが入ったことで、明らかに攻撃が活性化しましたね。また、ヨロも素晴らしい攻撃参加を見せました。そして最後のマウントのフィニッシュ。最高のゴールでした!
試合に関係ないですが、リヨン戦で涙を見せていた少年の笑顔が何度か抜かれてましたね。笑ほっこりしました。笑
80分 ユナイテッドが逆転に成功します。右サイドでブルーノがプレスをかけうまくボールを引っ掛けると、ファウルをもらい、フリーキックを獲得。このフリーキックをブルーノがニアに入れると、合わせたのはカゼミロ。難しい体勢でしたが、うまく枠に持っていきました。
81分 ユナイテッドの選手交代。得点を決めたカゼミロとリンデロフを下げて、メイヌーとアマスを投入しました。この状況でアマスを投入してきたのは驚きでしたが、アモリム監督のアマスへの評価が高い事がわかりますね。来季はもっと出場機会を増やすでしょう。
85分 ユナイテッドが試合を決定づけます。自陣でボールを受けたヨロが、素晴らしいキャリーを見せ、右サイドのドルグへ渡して最前線へ。ドルグは追い越したディアロをシンプルに使うと、深い位置で仕掛け、ゴールラインギリギリのところからクロス。このプレゼントパスをホイルンドが決めます。直前にアルバレスが少し触ってコースが変わっていましたが、よく反応しました。
91分 マウントのスーパーゴールでトドメを刺します。アマスからホイルンドへのパスは長くなり、アギレサバラが対応しますが、ホイルンドが諦めずにプレッシャーをかけたことで、キックが乱れ直接マウントへのパスになります。マウントの位置はハーフライン付近でしたが、左足で丁寧に狙ったシュートが、ネットを揺らします。逆足での精度とは思えない、素晴らしいゴールでした。
そして、試合終了。スコアこそ4-1と大差がつきましたが、スコアほどの差はない試合でした。選手交代でバランスを崩したアスレチックに対して、交代選手がことごとく活躍し、試合をひっくり返したユナイテッド。選手交代が明暗を分ける一戦となりました。
選手採点
オナナ 6
守備陣の体を張ったディフェンスもあり、セーブを強いられるシーンはなかった。唯一の枠内シュートで失点。失点シーンを攻めることはできないものの、防げた失点に感じる。
リンデロフ 6
リスクを冒さず、堅実にプレー。穴にはならなかったものの、マズラウィやヨロのような攻撃参加はできず。
→アマス 6
4点目の起点となるパスを送った。アモリム監督の期待が伺える起用だった。
マグワイア 6
パスミス含めロストが少し目立ったが、守備面では体の強さを発揮。
ヨロ 8
前半の素晴らしいブロックなど守備面でも貢献した上、後半はより攻撃参加の意識を見せ、アシストも記録。素晴らしいボールキャリーもあった。
マズラウィ 7
少し疲れを感じさせるパフォーマンスだったか。守備面では素晴らしいよみ、ポジショニングを見せた
→ショウ 6
WB、CBで起用されたが、安定したパフォーマンス。
カゼミロ 8
再び全盛期を彷彿とさせるパフォーマンス。得点を決めた上、素晴らしいポジショニングでチャンスを摘み続けていた。
→メイヌー 6
少ない時間の起用だったが、ほぼミスなくプレー。
ウガルテ 6
守備面ではさすがのプレーを見せたが、プレスを受け、難しい状況でボールを受けることが多く、ロストが目立った。
→マウント 9
途中出場から2ゴール。どちらのゴールも素晴らしかった。ゴールシーンのみならず、攻守に
ピッチを走り回り、チームを助けていた。
ドルグ 6
パスずれなどの細かいミスが目立ったが、豊富な運動量を生かし、左右どちらのサイドでも攻守に貢献した。
ガルナチョ 5
痛恨の決定機逸。アスレチックのプレスに苦しみ、後ろ向きで受けるシーンが多く、良さを出せず。仕掛けても中々突破できなかった。
→ディアロ 8
投入早々からチャンスに絡むなど、さすがのプレー。アシストは付かなかったが、ホイルンドのゴー
ルをお膳立て。
ブルーノ 8
シャドーよりも中盤の方が適正かもしれない。前半よりも中盤にポジションを変えた後半の方がよりボールに絡み、いいプレーを見せていたと感じる。
ホイルンド 7
得点は決めたものの、持ちすぎてロストするシーンや、収められないシーンが目立った。
まとめ
やりました!決勝進出!リーグ戦では苦戦しながらも、3シーズン連続で決勝(EFL、FA杯、EL)に進むユナイテッド。不思議ですね。笑
もう一方の準決勝は、トッテナムが勝利し、プレミア勢での決勝が実現。ELではあるものの、リーグ戦で15位と16位のチームが決勝に進むことは、今後もないのではないでしょうか。
さあ、タイトルそして来季のCL出場権獲得まであと1勝のところまで来ました。相手は近年苦手としているトッテナムですが、ELでのパフォーマンスを見せることができれば 優勝できるでしょう。
EL決勝の前に、ウェストハムとチェルシーとのリーグ戦が挟まります。チェルシー戦からEL決勝までは中4日と日程的に余裕があることから、ウェストハム戦は若手主体で挑み、チェルシー戦は主力で臨むものと思われます。調子を上げてきている選手も多い中、リーグ戦でもしっかり結果を出してEL決勝に臨んで欲しいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
コメント