試合概況
現地時間5月25日(日)、プレミアリーグ最終節 アストンヴィラ戦がオールドトラフォードで行われました。終始、試合の主導権をユナイテッドが握る展開。マルティネスの退場、審判の判定に助けられた部分もあり、2-0で完勝。リーグ戦で実に2ヶ月半ぶりの勝利、公式戦での連敗を3で止め、24/25シーズンを締めくくりました。この記事では、この試合のプレビューを書いていきます。
スタメン

スタメン以前に、オナナとガルナチョのメンバー外が話題となりました。去就が騒がれることとなりそうですね。また、ホイルンドを継続して使ってきました。正直意外でしたが、アモリムはホイルンドに期待しているということなのでしょうか。もしくは、CL出場権を逃したことで、補強ターゲットが絞られ、それならばとホイルンドを育てていく方向にシフトチェンジした可能性はありそうですね。
前半
ホームでの最終節ということもあり、かなりアグレッシブな試合の入りを見せたユナイテッド。インテンシティも高く、奪われてもハイプレスで高い位置で奪い返すなど、アモリムがやりたいサッカーを体現できていた試合だったのではと思います。
4分 リンデロフの浮き玉のパスからシュートチャンスに繋げます。右のペナルティエリア手前に走り込んだブルーノへの浮き玉のパスを、ヘッドで競り勝ちマズラウィが拾います。うまく入れ替わりエリア内に侵入すると、マイナスのクロスに走り込んだマウントが合わせますが、キーパー正面。さらに、こぼれ球を逆サイドで拾ったドルグから受けたホイルンドが、ターンからクロス。マウントがフリーで合わせましたが、これもマルティネスの正面。ユナイテッドとしては、いい形でシュートに持っていくことができ幸先の良いスタートとなりました。
7分 ビルドアップからチャンスを作ります。センターサークル内で受けたカゼミロが、巧みなパスでリンデロフを押し上げます。リンデロフは中央のブルーノへ付けると、右サイドに運びながらマズラウィ→ブルーノ→アマド→マズラウィと小気味よくつながると、エリア内でアマド→ブルーノと繋いでシュートを打ちましたが、これもマルティネスがキャッチ。
11分 またしてもマウントにチャンス。ハイプレスでコンサに難しいパスを強いると、カゼミロがカットしアマドに繋がります。右サイド追い越しにきたマズラウィに渡し、逆サイドでフリーのドルグにサイドチェンジ。エリア内でドルグはワンタッチでマウントに落とし、左足でのボレーシュートを打つも、トーレスがブロック。
12分 ドルグが持ったところから、マウントがいい抜け出しを見せ、マウントへのパスが通ります。深い位置まで運び、左足で上げたクロスにアマドが合わせましたが、わずかに枠外。ここまで、シャドーとWBが深い位置まで侵入し、マイナスのボールを上げる意識が高く、いい形を作り続けています。
17分 ヴィラのカウンターを守ったところで、マズラウィが負傷。そのまま交代となります。EL決勝でもかなり疲弊していたように映ったので、休ませてほしいと思っていたのですが、ツケが回ってきましたね。
20分 ダロトが交代で入ります。
21分 ブルーノがスルーしたボールにカゼミロが追いつけず、オナナ→アセンシオと繋がれると、アセンシオのキャリーからワトキンスにスルーパス。結果的にオフサイドになりましたが、このシーンでのヘヴンの対応は見事でした。18歳にして、プレミアで十分やれるだけのフィジカルを持っているのは、心強い限りです。また、コースは切っていましたがロジャースの方に出されていたら決定機になっていましたね。助かりました。
28分 混戦の中から複数のチャンスを迎えます。左サイドでドルグが獲得したフリーキックから、マウント、ブルーノと繋ぎ、ブルーノのクロスはファーサイドへ流れます。このボールをマグワイアがキープし、2人に囲まれながら、ウィングばりの突破を図ります笑 マグワイアのマイナスの落としをダロトが狙いますが、ファーポストに直撃。その後、ヘヴンも中で合わせることができず、ヴィラに守り切られます。
32分 ダロトの抜け出しにブルーノからワンタッチのパスが通りますが、ダロトの折り返しはブロックされ、コーナーに。アマド→ブルーノ→アマドとショートコーナーからファーサイドへのクロスは通らず。カゼミロのパスもつながらず、ゴールキックに
39分 ビルドアップの場面で、アマドのヒールパスがずれ、アセンシオに運ばれ、中央のマッギンにつながります。マッギンの切り返しからのシュートは、戻ってきたアマドがナイスブロック。
46分 この試合の結果を左右するプレー。バユンドゥルのフィードに競り合ったところ、キャッシュのマルティネスへのバックパスが短くなり、狙っていたホイルンドへのスルーパスのような形に。ここに飛び出したマルティネスがタックルを仕掛け、DOGSOで一発レッド。
49分 アストンヴィラはアセンシオに代えて、オルセンを投入。
50分 そのフリーキックでブルーノからドルグ→ダロトと繋ぎダイレクトでシュートを放ちますが、大きく枠を外れます。
その後、自陣から良いフィードが出たところで、前半終了のホイッスル。これにはホームサポーター大ブーイング。笑
後半
一人少ないヴィラは、5-3-1のような形でブロックを敷いてきました。
49分 ブルーノがエリア内で抜け出し、クロスを狙うもブロックされコーナー。このコーナーからカゼミロの折り返しをホイルンドがネットを揺らすも、オフサイド。
51分 ブルーノの右サイドへのフィードがアマドに繋がると、中央への折り返しにカゼミロがスルーしブルーノがミドルシュート。入ったか、と思う軌道でしたが枠外。
54分 キャッシュのパスをメイヌーがカットしたところから、左サイド走ったドルグへスルーパス。エリア内からマイナスの折り返しに、カゼミロがコーナーを狙ったシュートを放ちますが、ポストに阻まれます。
56分 ユナイテッドのハイプレスから、エリア内でプレッシャーをかけたメイヌーがトーレスからボールを奪うと、キーパーを交わしてホイルンドに渡しますが、足に付かず。トラップではなく、右足でダイレクトで打って欲しかったシーンですね。ホイルンドは、このような場面でダイレクトシュートを選択することができるようになれば、もう少し得点を奪えるようになるでしょう。
58分 ヴィラのコーナーキックからのカウンター。ヘヴンが前線に送ったクリアボールをアマドが追い、マートセンのバックパスが短くなったところ、またしてもホイルンドが狙っており、エリア内に侵入。右に持ち出してのシュートはキーパーにキャッチされます。得点に絡んでいませんが、前半からホイルンドの積極的なランニングが目立ちます。
62分 ヴィラはマッギンとオナナを下げて、ティーレマンス、ラムジーを投入。守備的な交代というよりは、少し攻撃的な交代をしてきました。
65分 ワトキンスに抜け出されましたが、オフサイドに助けられました。ここも、ヘヴンは素晴らしい対応でした。
66分 ヘヴンとマウントに代えて、エヴァンスとエリクセンを投入。
68分 カゼミロがホイルンドに楔をつけると、落としたボールにエリクセン、ブルーノがパス交換し、ブルーノがミドルを放ちますが、枠外。
73分 オルセンからの前線へのフィードをマグワイアのヘッドがコントロールミス。バユンドゥルがキャッチに行ったところをロジャースに引っ掛けられ、ネットを揺らされます。VARでの判定の結果、ファウルでノーゴールの判定。ユナイテッドとしては、助けられましたね。映像で見る限りしっかりキャッチしていたわけではなかったので、怪しい判定でした。
76分 ユナイテッドに待望の先制点が生まれます。押し込んだところから、ブルーノのクロスにアマドが飛び込み、ヘッド。ゴールネットを揺らしました。
81分 ホイルンドに代えて、チドオビを投入。
81分 ブルーノが獲得したフリーキックを、エリクセンが狙いますが、クロスバー。
85分 ユナイテッドが追加点を奪います。カゼミロから右サイドのアマドの前方のスペースへフィードが出ると、アマドが追いつき仕掛けたところ、マートセンが故意ではないですが踏んでしまい、ユナイテッドにPKが与えられます。このPKは、アモリムの粋な計らいでエリクセンが蹴ることとなり、エリクセンがど真ん中に沈め、2点目を奪います。
終盤、ヴィラが攻撃に人数をかけてきてチャンスを創られるシーンが増えましたが、体を張って防ぎきり、試合終了。ホームでの最終節を勝利で飾ることができました。
選手採点
バユンドゥル 6
ほぼ仕事はなかった。判定に助けられたが、危ないシーンがあったのはマイナスポイント。ビッグクラブで正GKになるのは難しいか。
リンデロフ 7
守備面で対応を強いられることはなかったが、攻撃参加もみせ、勝利に貢献。良い形で、ユナイテッドでのラストプレーを飾った。
マグワイア 6
またしても巧みなプレーで突破を図り、チャンスを作った。守備面では、ボールの落下地点を見守り、判定に救われたもののあわやのシーンの起点になった。
ヘヴン 7
18歳とは思えない、フィジカル面、読みともに素晴らしかった。今後、ヨロとヘヴンがDF陣の軸になっていってほしい。
→エヴァンス 6
プレー時間は少なかったが、コーナーでゴール後一歩のシーンを作った。守備面でも、素晴らしいタックルで攻撃の芽を摘んだ。本当にお疲れ様でした。
マズラウィ 7
少ない出場時間でしたが、高い位置をとり積極的に攻撃参加。チャンスを演出していた。守備面でも穴になることはなく、素晴らしいプレーだった。
→ダロト 6
おそらく、本来出場予定がなく、無理に出場したためか、途中出場から後半スタートに交代。何度かチャンスはあったが、ポストに阻まれるなど、得点には絡めず。
→メイヌー 6
右シャドーとしてプレー。積極的なプレスからホイルンドのチャンスを演出するなど、コンディションは良さそうだった。
ブルーノ 8
攻守に貢献。ボールを引き出す動きも、パスを出す側としての精度も兼ね備え、2人いると思うくらいピッチのあらゆるところに顔を出した。
カゼミロ 8
スーパーだった。レアル時代やユナイテッド初年度のような働きを取り戻してくれた。攻守でキープレイヤーだった。来季も残留となりそう。
ドルグ 7
豊富な運動量を生かし、攻守に貢献。マウントとの相性は良さそう。
アマド 9
値千金の決勝ゴール。シャドーでもWBでも素晴らしいプレー。守備面でも前線からのプレスやゴール前でのマッギンのシュートブロックなど大きく貢献。
マウント 7
前半の立ち上がりから非常にいい動きからチャンスに絡んでいたものの、カマラに徐々にマウントへのマークを強めてからは消える時間帯が長くなった。
→エリクセン 7
アモリムの計らいもあり、PKから追加点をあげた。まだまだトップレベルでやれる選手だと思うので、他のチームでも応援したい。
ホイルンド 8
得点こそなかったものの、前線からのプレスは効果的だった。諦めずに走る姿勢が、マルティネスの退場を誘発した。
→チドオビ 6
良い動き出しを見せていたものの、チャンスには絡めず。
まとめ
心配していましたが、非常に良いゲームだったのではないでしょうか。判定に助けられた部分はありますが、試合内容的には完勝と言っていいでしょう。ホームで迎えた最終戦、やりたいサッカーを体現できたような気がします。このくらいのインテンシティで毎試合プレーできていれば、今季のような成績にはなっていないでしょう。EL決勝での敗北を引きずらず、見事なバウンスバックを見せてくれたチームを誇りに思います。来季は、プレシーズンのトレーニングからアモリムが率います。楽しみである反面、万が一それでもダメだった場合、どうなることやら、、、、 来季はCL出場権獲得を目指すのが現実的な目標でしょうか。私としては、CL権を取れなかったとしても、内容のない試合をできる限り減らし、選手たちが”戦う姿勢”を見せてくれれば、まだそれでも満足できると思います。福建までの道のりはまだ始まったばかりです。我々サポーターも忍耐力が求められると思いますが、愛するクラブを最後まで見守っていきたいと思います。プレシーズン中は移籍情報などを中心に投稿していきます!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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