【試合レビュー】EL準々決勝2stレグ マンチェスターユナイテッドvsリヨン(2025/04/17)

試合概況

現地時間2025年4月17日(木)、ホーム”オールドトラッフォード”で開催された、EL準々決勝2ndレグのリヨン戦は、”クレイジー”なシーソーゲームの末、延長後半121分のマグワイア弾で5-4とユナイテッドが勝利。アスレチックビルバオが待つ準決勝に駒を進めました。この記事は、この試合の振り返りを行なっていきます。

スタメン

ユナイテッドは、1stレグと同じスタメンを起用。ガルナチョを左で起用してきましたね。そのほかは概ね戦前の予想通りのスタメンとなりました。

前半

1分 ユナイテッドはいいビルドアップを見せました。相手キックオフにプレッシャーをかけキーパーのロングボールを回収したところから、マグワイア→ヨロ→ドルグ→ウガルテ→ヨロと左サイド狭い中でつながると、中央に受けにきたカゼミロに出て、プレス回避。カゼミロのパスはずれましたが、練習していたであろう、形のあるビルドアップでした。

リヨンは、左サイドのアルマダをより攻撃に参加させるためか、アクオクが左SBのようなポジションどりを見せます。タグリアフィコ、アルマダがそれぞれ1列上がったような配置でしたね。

9分 ホイルンドのいい背負からブルーノが抜け出しましたが、トリッソが素晴らしい戻りを見せ、カットされます。

10分 待望の先制点が生まれます。右サイドでダロトからのバックパスを受けたマズラウィ。ルックアップでブルーノが動き出しているのを見つけ、浮き玉のパスを送ります。マークのアクオクは反応が遅れ、ブルーノに通ります。左サイドから走り込んできたガルナチョへのパスが通ると、素晴らしいタッチで縦に突破。マイナスのクロスを入れると、走り込んでいたのはウガルテ。完璧にリヨンを崩しての先制点となりました。

16分 ユナイテッドに追加点のチャンス。ブルーノがロストしたところからのリヨンの保持にガルナチョとカゼミロでプレッシャーをかけると、ガルナチョが引っ掛けたボールがカゼミロにこぼれてきます。狙い澄ました左足でのシュートは、ペッリがナイスセーブ。

22分 リヨンのチャンスシーン。右サイドでシェルキが仕掛けたところから、アルマダがシュートを打ちましたが、マグワイアがブロック。コーナーに逃れます。このコーナーもマタに合わされましたが、オナナがセーブし事なきを得ます。

25分 中盤でボールを奪ったウガルテから、自陣でガルナチョに出すと、ガルナチョが素晴らしいドリブル。ゴール前まで運びシュートを放ちますが、ブロックされます。時間を考えると、シュートで終わるのはいい事なんですが、そこまでチャンスのあるシーンではなかったので、もう少し時間を使ってブルーノの上がりを待っても良かったのかなと思いました。ここで獲得したコーナーキックはマグワイアが合わせましたが、枠外。

32分 リヨンのチャンス。シェルキが右サイドから中央に切れ込むドリブルを見せます。寄せてきたドルグ、カゼミロも止められずシュートを打たれますが、オナナセーブ。それにしても、ドリブラーに対しての対応がユナイテッドは苦手ですね。。

36分 先制点と同じような展開で、裏へ飛び出したブルーノへダロトから浮き玉のパスが出ます。ブルーノはこれを、ダイレクトで合わせましたが、クロスバー直撃。アモリムの指示だと思いますが、ブルーノは降りてくるよりも、裏への飛び出しを強く意識しているように感じました。

39分 リヨンがバックパスをミスしたボールをホイルンドが受け、ブルーノ→カゼミロ→ホイルンドと繋がります。左サイドでフリーになっていたドルグへ渡すと、インナーラップしていたガルナチョに出し、ポケット付近に侵入。マイナスのクロスは少しずれますが、ホイルンドが収め、ブルーノへ落としましたが、ブルーノのシュートは枠外。得点にはつながりませんでしたが、いい崩しでした。

40分 マグワイアがセンターサークル付近で持ったとき、ブルーノがとてもいい反応で裏を狙ったのですが、マグワイアは出せず。出ていたら中にはホイルンドもいたので、決定機になっていそうな場面でした。

46分 ガルナチョが倒されて得たフリーキックから、マグワイアが前線へフィード。飛び出したダロトには、タグリアフィコがついていましたが、ボールキープからゴール左隅へシュート。これが決まり、ユナイテッドが追加点を奪いました。(この時は、正直勝利を確信してました、、、)

その後間も無く前半終了。
ユナイテッドは、早い時間帯から狙いがはっきりとしていました。CBからシャドーが裏を狙う動きとサイドからマイナスのクロスに誰か必ず飛び込む。また、ヨロの攻撃参加も狙いの一つではないかと思います。そして狙い通り2点を奪いました。1stレグ、リヨンのハイプレスに苦しんだことから、シャドーには裏抜けを徹底させ、CBが持った際に簡単に蹴れるようにリスク管理も含めた狙いだったのかなと思いました。また、アウェイということもありリヨンがそれほどハイプレスに来なかったこともユナイテッドとしては助かりましたね。リヨンにもチャンスシーンはありましたが、圧倒した前半と言えるのではないでしょうか。

後半

ユナイテッドは、マズラウィに変えてショウを投入。家庭の事情でマズラウィとリンデロフが離脱しないといけなくなったという情報がありますが、心配ですね。何事もなければいいのですが、、、

50分 ユナイテッドに決定機。ベレトゥのパスがズレたところをガルナチョが拾い、ホイルンドとのワンツーで抜け出すと、マタと並走しながら最後かわし、カットインからシュートを狙いますが、ペッリにセーブされます。止めたペッリを褒めるべきかも知れませんが、これは決めないといけないシーンでしたね。。。ただ、その後のカウンターをファウルで止めたあたり、褒められたものではないかもしれませんが、気持ちがこもっていて良かったです。

54分 リヨンの決定機。ユナイテッド陣内でのボール回しから、マタがアーリークロス。ファーで待っていたタグリアフィコが折り返し、トリッソが中央で収めます。ヨロとマグワイアに挟まれていましたが、反転してそのまま素晴らしいシュートを放ちますが、オナナがファインセーブ。これは決まっていてもおかしくないシーンでした。

55分 リヨン選手交代。アクオクとベレトゥに代えてテスマンとラカゼットを投入してきます。

59分 右サイドのスローインをダロトがブルーノにつけ、ダロトにリターン。ダロトはカゼミロに出すと、ヒールでホイルンドへ。(狙ったかは怪しいですが笑)体を張り、走り込んできたダロトに落とすと、マイナスのクロス。ドルグが合わせましたが、枠外。ホイルンドはこの日かなり収まっていますね。

64分 リヨンの流れを変える選手が入ります。ミカウタゼを下げて、フォファナを投入。

65分 左サイドでカゼミロからの浮き玉を受けたガルナチョが突破。カットインからマイナスへクロスを送りますが、誰も入ってきておらず。ガルナチョ不満そうだったので、マイナスへのクロスは決め事だったことがわかりますね。

リヨンは、左サイド流動的だったのですが、フォファナが入ってからはずっと張ってプレーしています。フォファナのドリブルで攻めるのが狙いでしたね。

69分 中盤で50:50のボールをウガルテがキープすると、ヨロ→ブルーノとつながります。ブルーノは受けにきたガルナチョへ渡すと、カゼミロ→ホイルンドと繋がります。ホイルンドはキープから、右サイドで飛び出していたダロトへスルーパス。シュートを打ちましたが、枠外。マイナスには、ホイルンドもブルーノも飛び込んでいましたので、タグリアフィコにコースを消されていたとはいえマイナスへのクロスが出ていれば、決定的なチャンスになっていました。

71分 リヨンに1点を返されます。ユナイテッドのハンドから与えたフリーキックから、最後はトリッソに押し込まれました。

75分 ブルーノのパスを引っ掛けられたところから、左サイドのフォファナにパスが通ります。カットインから、シュートを狙いましたが、ヨロがバランスを崩しながらも頭を突き出し、ブロックしました。いつぞやのフィル・ジョーンズを思い出しましたが、気持ちが入った素晴らしいプレーでした。

78分 リヨンが同点に追いつきます。中央のトリッソから左サイドのフォファナへ鋭いパスが通ります。フォファナはダロトを抜き切らずに、ファーサイドへのクロスを選択。メイトランドナイルズがダイレクトで合わせたボールをタグリアフィコが合わせました。フォファナのドリブル突破に苦戦させられましたね。また、後半に入ってからは、リードを守り切る意識が強く、自陣で引いて守るシーンが多かったですが、それが良くなかったですね。

87分 ユナイテッドは選手交代。ウガルテ、ホイルンドに代えてマウントとメイヌーを投入。メイヌーが最前線に入ります。

89分 ヨロが前線で抜け出したところ、トリッソのの足がかかってしまい、イエローカード。2枚目でトリッソは退場となります。その直後、ペッリが負傷を訴え、治療をしていましたが、その間フィールドプレーヤが円陣を組み意識の統一を図っていました。ペッリの負傷は戦術的なものだと思いますが、あの場面で咄嗟にできるのは、敵ながらあっぱれと思いました。

91分 ブルーノのフリーキックは、ペッリがナイスセーブ。

その後は、数的優位になったこともありユナイテッドが攻勢を仕掛けますが、得点は奪えず後半終了。
結果論になってしまいますが、2点リードしたこともあり、引いて守る時間が増え、3点目が奪えなかったことが試合を難しくしてしまいましたね。また、ホームでも2点差を守りきれない勝負弱さは改善しないといけませんね。

延長前半

リヨンは10人とは感じさせないくらい、全員がハードワークしていました。特にシェルキはスタメンにも関わらず、キレがありましたね。

100分 ユナイテッド選手交代。疲れが見えていたガルナチョとドルグに代えて、エリクセンとアマスを投入。エリクセンは中盤に入り、ブルーノがシャドーに戻ります。

105分 リヨンが先手を取ります。キーパーからのビルドアップをシンプルに左サイドに展開していくと、タグリアフィコを経由して抜け出したフォファナに繋がります。マグワイアも簡単に躱され、ダロトとショウが止めに行ったところ重なってしまい、こぼれたボールをシェルキに決められます。

その後はお互いチャンスらしいチャンスはなく、延長前半終了。

延長後半

ユナイテッドは、マグワイアを最前線にあげ、4バックに変更してきました。

107分 リヨン選手交代。シェルキに代えて、ディフェンダーのヴィニシウスを投入。時間も使い逃げ切りを図ります。

108分 リヨンが追加点を奪います。キーパーのフィードをヨロが跳ね返しましたが、カゼミロのタッチが流れ、フォファナに渡ります。フォファナはゴールに向かってドリブル。ショウがタックルで止めに行きますが、ファウルの判定。リヨンにPKが与えられます。このPKをラカゼットが冷静に決め、勝負を決定づけたかに思われました。リヨンサポーターは勝利を確信し、ユナイテッドサポーターは絶望したことでしょう。

しかし、ここからオールドトラッフォードはまさに”夢の劇場”と化します。

113分 エリア内でカゼミロがアルマダに足を蹴られ、オンフィールドレビューの結果PKを獲得。ブルーノが詠まれながらも、届かないコースに決め、反撃の狼煙を上げます。ここでスタジアムの雰囲気もユナイテッドが纏うオーラも一変しました。それにしても、この状況でこのコースに蹴れるブルーノのメンタル、、、

116分 マグワイアが抜け出したところ、ニアカテに倒されましたが、ノーファールの判定。

120分 オナナから左サイドに下がって受けにきたブルーノがボールを引き取ると、エリア内中央にいたカゼミロにパス。カゼミロはダイレクトでメイヌーに預けると、ワントラップからシュート。ファーサイドに突き刺し、同点に追いつきます。そして、ザークツィーのパフォーマンス。カッコ良すぎますね。

そして121分、劇的な勝ち越しゴールを決めます。リヨンのキックオフからヨロがオナナに戻し、ショウへ。ショウからアマス→カゼミロと繋ぐと、カゼミロはクロスを選択。そこに待っていたのは、マグワイア!ヘッドで流し込み、なんとユナイテッド再逆転!FA杯のリヴァプール戦のような劇的な展開でした。その後、リヨンはロングボールをエリア内に入れてきますが、集中を切らさず弾き返し、試合終了。ユナイテッドが勝利を挙げ、準決勝進出を決めました。

選手採点

オナナ 6
失点シーンはオナナの責任を問うのは難しいですが、4失点。

マズラウィ 6
先制点の起点になるなど、良かったですが、家庭の事情とのことで前半で交代。何事もないことを祈ります。
→ショウ 4
PK献上含む、2失点に関与。ボール扱いのうまさなど随所に見せたものの、守備時の対応に課題が残った。

マグワイア 9
120分にわたって文字通り攻守に貢献。延長後半からはワントップでプレーし、決勝ゴールを挙げた。

ヨロ 7
タイミングのいい持ち運びでチャンスにも絡んだ。ボールを持った時も落ち着いており、今後の要になりそう。フォファナのシュートをバランスを崩れながら頭でブロックに行ったシーンは、痺れました。

ダロト 7
失点関与はあったものの、1ゴール。120分間運動量が落ちず、攻守に貢献。

カゼミロ 10
完璧なパフォーマンスで、2アシスト。守備面でも、全盛期を彷彿とさせるプレーを連発。

ウガルテ 8
守備面では随所でいいカット。ビルドアップにも絡み、正確なパスでチームを助けていた。
→マウント 6
それほど試合に入れず。攻撃面で違いを作るまでには至らず。

ドルグ 6
随所に体の強さを見せ、ボールキープ。激しい上下動で攻守に貢献。ガルナチョとの連携面で向上してくれば、もっとチャンスに絡めそう。
→アマス 6
あまり試合に絡むシーンは少なかったが、及第点のプレーだった。

ブルーノ 9
さすがキャプテン。時間を作りたい時には急がずにボールをキープし、120分に渡って素晴らしいパフォーマンス。難しい場面でのPKであのコースに蹴れるブルーノのメンタルたるや、、、

ガルナチョ 8
守備面で、バックパスが出た際にしっかり反応して追っていたのはポジティブ。ドリブルで抜ききれないシーンも目立ったが、チャンスを何度も演出。決定力がつけば、、、
→エリクセン 6
潤滑油として、いいボールを供給。要求通りのプレーで貢献。

ホイルンド 7
ゴール・アシストはなかったが、前線で体を張り、ボールを収めてくれていた。調子は悪くないので、今後の得点に期待したい。
→メイヌー 8
あのシーンで、落ち着いてゴール決めるあたり、強心臓ぶりを物語っていますね。

まとめ

心臓に悪い試合でしたね、、、本当にジェットコースターのような試合でした笑。結果勝利したものの、ホームで2点のリードを守りきれない勝負弱い部分は、改善しなければなりません。試合の進め方、追加点、ドリブラーへの対応など、この試合で浮き彫りになった改善点もあります。
とはいえ、FA杯のリヴァプール戦しかり、最後の最後逆転する勝負強さはさすが。なんとか準決勝に進出したユナイテッドは、準決勝でアスレチックビルバオと対戦します。1stレグは決勝の舞台でもあるサンマメスに乗り込みます。その間には、ウルブス戦、ボーンマス戦とリーグ戦2試合が挟まります。できる部分はターンオーバーしつつ、マウント、ショウ、メイヌーのコンディションも上げて行けるようにしてほしいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!またぜひ遊びにきてください!

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