【試合レビュー】PL第34節 ボーンマスvsマンチェスターユナイテッド(2025/04/25)

試合概況

現地時間4月25日(日)、プレミアリーグ第34節 アウェイ”バイタリティスタジアム”でのボーンマス戦が行われました。結果は、1-1のドロー。ボーンマスは退場者を出しながら、イラオラ監督の的確な采配もあり、組織的な守備で勝ち越しを許さず、勝ち点を分け合う形となりました。この記事では、この試合のプレビューを書いていきます。

スタメン

ウルブス戦からは、5枚の変更。リンデロフ、フレデリクソン、ウガルテ、エリクセン、アマスに代わって、ヨロ、マグワイア、ショウ、メイヌー、ブルーノが先発に復帰。ショウはもう少し慎重に起用してくると予想していたので、意外でした。対して、マウントは今回もベンチスタートとなりました。また、試合前のスタメン発表を見た時は、メイヌーがシャドーでブルーノが中盤かなと思いましたが、逆でしたね。ウガルテのベンチスタートも予想外でした。

前半

立ち上がり、ボーンマスはシンプルにクロスやロングスローでゴールに迫ってきます。対して、ユナイテッドは時折良い繋ぎで前進するシーンは作りましたが、ボーンマスのハイプレスに苦しむ時間帯が続きます。

10分 ユナイテッドのファーストシュート。左サイドでメイヌーとブルーノのパス交換で前進します。メイヌーは寄せられながらもボールをキープしドリブル突破。エリア内、切り返してシュートを打ちましたが、ケパにキャッチされます。メイヌーのドリブルはイニエスタ味が合ってうまくボールを隠しますね。中盤よりもシャドーが合いそうな印象が強いです。

16分 オナナのスローでガルナチョを走らせたところから、カゼミロ、メイヌー、マズラウィと繋ぎ、中央に受けにきたガルナチョに渡ると、エリア外からシュート。枠外でしたが、いいシーンでした。また、決めるシーンは少ないですが、ガルナチョのシュートが一時期の宇宙開発ほど酷くなく、得点の匂いがするようになってきましたね。

21分 ボーンマスの右サイドからの攻撃で、クロスボールが流れたところ、ガルナチョとアダムスが交錯。リプレイでは、アダムスの足裏がガルナチョに入っており、VARも介入しましたが、イエローカード。勢いもあり、危険なプレーでした。ボールに行っているとはいえ、リサマルとカゼミロに同じようなシチュエーションでレッドカードが出ていたので、このシーンもレッドカードが妥当だったのでは無いかと思いました。

23分 そのリスタートからボーンマスに先制を許します。オナナが近くのショウにつけ、左サイドで張っていたドルグにつけましたが、ボーンマスはショウからのパスコースを限定し、ドルグに出させるようなプレスをかけていました。まんまと狙い通りにドルグに出してしまい、勢いを持って突っ込んできたスミスに奪われます。スミスは縦に運び、クロス。このボールをエヴァニウソンがヒールで巧みに落とし、セメンヨが左足を一閃。ヨロとカゼミロがニアのコースを消していましたが、ヨロの股を抜かれ、ニアに決められました。シュートシーンはオナナノーチャンスだったと思いますが、そもそもリスタートの場面で、ボーンマスは割と近い位置にセットしていて、プレッシャーがかかりそうなのが予想できるシーンだったにも関わらず、ショウに出した判断はまずかったのでは無いかと思います。

35分 ショウの持ち上がりから、クロスをブロックされたこぼれ球をブルーノが収め、メイヌーへ。メイヌーはそのままシュートを打ちましたが、これはブロックされ、コーナーキック獲得。
ブルーノが入れたボールは、中央に飛び込んできたヨロに合っていましたが、ミートできず。その後もこぼれ球を回収し、何度かシュートシーンを作りましたが、ことごとくブロックされます。

38分 ユナイテッドの決定機。マグワイアから右サイドのブルーノに浮き玉のパスを通したところから、ブルーノもガルナチョに浮き玉のボールを送ると、ザバルニーがガルナチョに気づいておらず、これをスルー。エリア内でループシュートを狙いましたが、ケパがナイスセーブ。

46分 中央でブルーノ、メイヌーで繋ぎ、右サイドから少し内側に受けにきたガルナチョへのパスが通ります。ボーンマスがあまりプレスをかけてこなかったこともあり、良い体制でシュートを打ちますが、惜しくも枠外。

間も無くして、前半終了。前半はボーンマスのプレスに苦しめられました。決まっていてもおかしくないシーンもありましたが、全体的にボーンマスが主導権を握る展開となりました。ボーンマスは連動した守備、ボール保持ができていた一方、ユナイテッドは連携面で合わないシーンや、プレス時に連動できておらず、パスコースを切れていない状況でボールホルダーに人数をかけてしまい、サイドでフリーを作られるなど、厳しい前半でした。

後半

46分 左サイドをワッタラに突破され、クロスを入れられると、若干流れたボールをクライファートが収め、セメンヨに落とすと、このボールをダイレクトシュート。入ったかと思いましたが、枠外で助かりました。

47分 ボーンマスに立て続けに決定機を作られます。左サイドのスローインの流れから、ケルケズが鋭いクロス。ニアにエヴァニウソンが飛び込んできていましたが、ショウの寄せもあり触らせず。ことなきを得ます。

57分 左サイドでドルグがボールをカットしたシーンで、先にボールに触っていて足裏も見せていませんでしたが、スミスが自らドルグを蹴り、痛がったことでドルグにイエローカードが提示されました。副審が近くで見ていたはずなので、しっかりしてくれよと思いましたね。

60分 上記シーンで与えたフリーキックからピンチを招きます。ワッタラは意表をつき直接狙ってきます。かなり良いコースに飛びましたが、枠に助けられました。この跳ね返ったボールをエリア内でアダムスが収め、ザバルニーに落とし、シュートを打たれましたが、ブロックしコーナー。このコーナーは凌ぎました。

65分 ユナイテッドの選手交代。マグワイア、メイヌー、カゼミロを下げてリンデロフ、ウガルテ、マウントを投入。ブルーノを中盤に落とします。

68分 ユナイテッドのビルドアップでボールを受けたマズラウィのタッチが流れたところに、エヴァニウソンが滑ったことも影響して、足裏でタックル。オンフィールドレビューを挟んで、レッドカードで退場となります。これが退場なら、前半のアダムスのタックルもレッドでは?と思いました。

数的優位になってからは、主に左サイドからの崩しを狙っていましたが、クロスがことごとく合いませんでしたね。前半にもありましたが、サイドを突破しても、中で合わせる選手が少なく、簡単にクリアされるシーンが目立ちました。

75分 ユナイテッドの選手交代。先ほどタックルを受けた影響か、マズラウィを下げてチドオビを投入。ドルグを右SB、ショウを左SBに配置し4バックにシステムを変更してきました。
投入直後、中央でウガルテが寄せられながら前進。キープし、ブルーノ→マウントと繋がります。マウントから受けたガルナチョは、ドリブルで仕掛け、エリア内に侵入。オーバーラップしてきたショウに出すと、ショウからのクロスに、チドオビが合わせますが、直前に体制を崩していたこともありミートできず。惜しいシーンでした。

82分 ボーンマスのスローインを奪ったところから、ドルグとブルーノでプレスを剥がします。ドルグからボールを受けたショウはキャリーしながら、左サイドのガルナチョへパス。ショウが、そのままインナーラップしてくれたのを囮に、ガルナチョは中央にドリブル。右サイドのドルグへサイドチェンジ。落としたボールをヨロ→ブルーノと繋ぐと、エリア内で素晴らしい動きだしを見せたガルナチョにスルーパス。ガルナチョは中を見て、マイナスで待つマウントに渡します。マウントは、若干反応が遅れたこともあり、シュートを打ちましたがブロックされます。その後のシュートもボーンマス守備陣の体を張った守備にブロックされ続けます。

85分 ボーンマスはセメンヨに代えてセネシを投入。かなりサイドからクロスを上げられている状況でしたので、5バックにして中の人数を増やしてきました。

89分 中央でドルグが前を向いたところから、左サイドに流れながらガルナチョへパス。そのままボックス内に走り込んだドルグにリターン。ドルグのグラウンダーのクロスは、マウントに通りますが、セネシがブロックし、コーナー獲得。このコーナーも、狙い通りショウがボレーを狙いましたが、枠に飛ばせず。

90分 ユナイテッドの選手交代。ドルグを下げてエリクセンを投入。4-4-2のような形の中盤センターに入ります。

91分 ショウからのスルーパスをチドオビがうまく受け、縦に仕掛けてシュートを打ちますが、ケパのセーブ。良い動きだしとキープでした。

93分 コーナキックの流れから、エリクセン、ガルナチョ、ブルーノと立て続けにシュートチャンスを迎えますが、ボーンマスのブロックを崩せません。最後のブルーノのシュートは非常に惜しいシュートでした。(映像の角度から入ったと思いました、、、泣)

96分 ユナイテッドが追いつきます。左サイドのショウからのクロスをウガルテが合わせたボールを、ホイルンドが角度を変えてネットを揺らしました。ホイルンドにとっては、公式戦7試合ぶりのゴールとなりました。ここから調子を上げて、ELに向かって欲しいですね!

そこから追加点を奪うには至らず、試合終了。

選手採点

オナナ 6
失点シーンの起因となったリスタートで、ショウへのパスを選択したのは軽率だった。

ヨロ 7
左で起用されるほどのボールキャリーはなかったが、堅実にプレー。コーナーキックのチャンスシーンは合わせたかったところ。

マグワイア 6
プレッシャーがかかっている場面でも、危なっかしさはありながらも落ち着いていた。サイドに散らす良いフィードがあった。

ショウ 7
失点に絡んだ格好だが、後半WBにポジションを移してからは、タイミングのいい攻め上がり、高いクロス精度で攻撃を活性化させた。現時点では、WBの方が合っていそう。

マズラウィ 7
レッドカード誘発。怪我は心配だが、無事とのこと。CB、WBどちらのポジションも高次元にこなしてくれるマズラウィの存在の大きさを再認識した。

メイヌー 6
中盤で先発したが、シャドーのようなポジションでプレーする時間が多く、ドリブルでもチャンスを演出。守備面でも穴になることはなかった。

カゼミロ 6
守備面では素晴らしい活躍だったが、パスの判断が時折不安定。フリーの状態であれば、いいパスを出せるが、プレッシャーがかかっている場面では厳しい。

ドルグ 6
本調子ではなかった印象。ボールが足に付かないシーンが目立った。失点に絡んだことも影響したか。

ガルナチョ 7
前半の決定機決めて欲しかったですね、、、とはいえ、ドリブルも切れていましたし、ポケットへの良いランニンングも何度もあり、調子は良さそうです。シュートも改善しているように感じます。

ブルーノ 8
本当になんでもできる選手です。ボールを持てばチャンスを作り、守備でも貢献。報われて欲しいですね。

ホイルンド 7
待望のゴールを決めました。が、クロスに対しての待機位置がよくなく、合わないシーンが目立ちました。チームとして活かせていない部分もありますが、状況判断能力は磨いていって欲しいです。

まとめ

なんとか連敗、シーズンダブルは防げたものの、勝ち点1を分け合う結果に。チャンスを作りながらも決定機を逃し、相手には少ない決定機を決められるという、今季のユナイテッドを象徴するような試合となりました。ハイプレスのボーンマスを相手に、後方から繋ぐことを選択したのは結果的に自分たちの首を絞める結果となりましたね。とはいえ、セットプレーやビルドアップでテンハグ政権下では見られなかった”形”ができてきているのは、全員が感じているはず。現時点で結果は伴っていませんが、このまま継続していけば、必ず良くなってくるという感覚があります。もしそうでなければ、すでに解任報道が聞こえてきても良い順位ですが、今のところは聞こえてきません。私たちも、アモリム監督を信じてこれからも応援していきましょう!次戦は、EL準決勝ビルバオ戦です。舞台は、決勝の地でもある、敵地サンマメス。厳しい戦いになると思いますが、奇跡のEL優勝。そして、来季のCL出場権を信じて日本から声援を送りたいと思います!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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