【試合レビュー】プレミアリーグ第16節 マンチェスターユナイテッドvsボーンマス(2025/12/16)

試合プレビュー&レビュー
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試合概況

どうも!マンチェスター・ユナイテッド研究所です。
今回は、12月16日(火)に行われたプレミアリーグ第16節・ボーンマス戦の試合レビューを書いていきます。

結果は――4対4。激しい撃ち合いの末、勝ち点1を分け合う形となりました。

立ち上がりは、今季屈指と言っていいほどの素晴らしい入りを見せ、幸先よく先制に成功。しかし後半開始早々に逆転を許すと、その後は再逆転しては追いつかれるという、まさにエンターテインメント性の高い試合展開となりました。
終盤には、あわや負け越しという場面もありましたが、ラメンスの好セーブに救われ、なんとか引き分けに持ち込みました。

非常に評価の難しい試合でしたね。個人的には、ややポジティブ寄りに捉えています。攻撃面は明らかに良かったですし、守備面に関しても、ヨロやヘヴンといった若手に頼らざるを得ない台所事情を考えれば、致し方ない部分もあったと思います……。
とはいえ、我々はマンチェスター・ユナイテッド。勝たなければならない試合だったことも、また間違いありません。

スタメン

マズラウィがアフコンの影響で欠場となり、ヨロがスタメンに入った以外は前節と変更なし。前節は最下位相手とはいえ、快勝ではあったので妥当なスタメンとなりました。

前半

2分 ユナイテッドは早速決定機を迎えます。
後方からのビルドアップで、ダロトがブルーノへパスを出します。ブルーノはアダムスとタヴァーニアにマークされており危ない場面でしたが、ここをスルーを選択。

このボールにはクーニャが反応し、ダイレクトで右サイドに展開。エンベウモとアマドの動きが被ってしまっていましたが、アマドにボールが渡りドリブルで前線へ。エンベウモは中央に動き直します。アマドはトリュフェールを引き付けてエンベウモへスルーパス。

このボールは少し長くなってしまいましたが、エンベウモが落としたボールをブルーノがシュート。ブロックされます。
アマドのパスが長くなってしまったのが、痛かったですね。エンベウモのところでシュートが打てていれば、決められていたと思います。

その後のクーニャのシュートをブロックしたアダムスが負傷。交代を余儀なくされスコットが交代で入ります。

ユナイテッドは、かなりいい入りを見せましたが、その流れのまま先制点を奪います。

13分
マウントのキープからフリーキックを獲得。カゼミロが右サイドに展開します。スコットにカットされますが、アマドが拾い中央のカゼミロへ。

カゼミロはマウントを飛ばしてダロトへのパスを選択。ヒメネスの寄せが甘かったこともあり、簡単に交わしてカットインからクロス。

クーニャが飛び込むも合わせきれず、こぼれたボールをアマドが押し込みました。

ダロトのクロスボールのスピード、コースともに良かったですね。徐々に左WBでのプレーに慣れてきたのか、パフォーマンスが上がってきています。このままダロトがフィットすれば、左WBの補強は不要かもしれませんね。

19分 ユナイテッドのチャンス
再び後方からのビルドアップでチャンスを創出します。
ダロトからボールを受けたマウントが、スミスの寄せを巧みにいなしながらボールをキープ。そのまま中央へ運ぶと、クーニャがスコットを引き付け、フリーとなっていたブルーノへ。

ブルーノ、エンベウモ、アマドと右サイドに展開していくと、アマドはブルーノへのパスを選択。ブルーノは、マウントの動きを警戒したタヴァーニアの逆をつき、クーニャへ。

クーニャはシュートを放ちましたが、巻ききれずに枠外となりました。全体的に良いビルドアップができていて、ブルーノが持った時にマウントが必ずと言っていいほど動き出してくれています。また、その動き出しを囮にクーニャやエンベウモがフリーになるシーンも作れており、マウントの存在によってビルドアップがスムーズになっていると言っても過言ではありません。マウントには、怪我なくこの調子を維持していって欲しいですね。

29分 ボーンマスの決定機。
徐々に、ボーンマスが主導権を握る時間も増えていたタイミングで、ボーンマスに自陣でボールを保持されます。右サイドでボールを持ったクライファートが、アーリ気味にクロスを入れると、3列目から飛び出してきていたタヴァーニアを誰もマークできておらず。

フリーで合わせられましたが、ラメンスがセーブ。ここまでシュートを打たせていませんでしたが、ファーストシュートにしてビッグチャンスを作られました。ヨロはがエヴァニウソン、アマドがヒメネスを気にしていた状況でしたので、タヴァーニアの動きについていけませんでした。

40分 ボーンマスが同点に追いつきます。
マウントがショウにパスしますが、トラップが長くなってしまったところスミスに突かれ、セメンヨに渡ります。

ボールを受けたセメンヨがエリア内に侵入し、そのままシュート。逆サイドのネットを揺らされてしまいました。
非常にもったいない失点でしたね。

きっかけは自分たちのミスであり、ヘヴンにも経験不足が出た場面だったと思います。エヴァニウソンを気にしてしまったのは理解できますが、カゼミロもブルーノも戻り切れておらず、エヴァニウソンにはヨロが絞って対応できそうな状況でした。そう考えると、ヘヴンも絞って、セメンヨのマークに行くべきだった場面だったでしょう。ただ、これを決め切るセメンヨがスーパーでした。

その後、完全にボーンマスペースになり嫌な流れでしたが、次にスコアを動かしたのはユナイテッドでした。

49分
左からのコーナーキック。ブルーノがファーサイドを狙うと、カゼミロがファーサイドに流れ、カゼミロについていたディアキテをヨロが体を張ってブロック。フリーになったカゼミロが合わせゴールに押し込み、勝ち越しで前半を終えることに成功。

最近のユナイテッドは、セットプレーでの工夫が見られます。守備面は改善の余地有りですが、さまざまな上積みが見られます。

後半

互いに選手交代なしでスタート。
開始早々、ボーンマスが同点に追いつきます。

46分
ショウのロングボールをセネシに弾き返されると、そのボールがタヴァーニアへ。ターンでフリーになると、エヴァニウソンへスルーパス。

パスを受けたエヴァニウソンは、トラップからファーサイドへ鋭いグラウンダーのシュートを突き刺しました。まさに「ザ・ストライカー」と言えるゴールでした。
この場面では、前半から不安定さを見せていたヨロとヘヴンの間のスペースを、エヴァニウソンにうまく突かれていましたね。ヨロのポジションは中途半端で、ヘヴンの寄せもやや甘かった印象です。

とはいえ、ヘヴンもヨロもこれからの選手。今回の失点で肩を落とすのではなく、このような経験を糧にして成長していってほしいと思います。

52分 次にスコアを動かしたのもボーンマスでした。
ユナイテッドがカウンターを仕掛けた場面。
ダロトからブルーノへのパスがわずかにずれ、その影響でブルーノのトラップが大きくなってしまいます。そこをタヴァーニアに突かれ、ボールを奪われてしまいました。

タヴァーニアは、奪った勢いそのままにドリブルで突破していくと、ゴールエリア付近でたまらずカゼミロがタックル。ボーンマスにフリーキックが与えられます。

このフリーキックをタヴァーニアに直接決められ、ユナイテッドはこの試合で初めてリードを許してしまいました。
図で見ると分かりやすいのですが、この場面ではタヴァーニアのドリブルコースを、わざわざ空けてしまうような守備対応になっています。

きっかけはダロトのパスミスですし、ダロトの戻りが遅れたことも要因の一つでしょう。ただ、この状況であれば、ヘヴンがタヴァーニアに寄せるべきだったと思います。
デ・リフトやマグワイアであれば、防げていた可能性の高い失点だったのではないでしょうか。

57分には、自信を失ってしまったのか、自陣エリア内でヘヴンが比較的余裕を持ってボールを保持する場面がありましたが、判断を急いでしまい、簡単にクリアして相手ボールにしてしまいました。
エンベウモやアマドが前方で良い位置を取っていただけに、そこへ蹴り出せていればチャンスになっていた可能性もあり、非常にもったいない場面でした。

61分 ユナイテッドの選手交代。
イエローをもらっていたカゼミロに代えてメイヌーを投入。イエローを貰った選手を早めに代えるのをアモリムは徹底していますね。

69分 さらにユナイテッドが選手交代。
ヨロに代えてマルティネス、マウントに代えてシェシュコを投入。ここで、アモリムはついに4バックを試してきました。4バックの練習を行なっているとの情報は出ていましたが、本当にやってくるとは。また、個人的にはヨロではなくヘヴンを代えるべきだったのではと思いました。

77分 ユナイテッドが同点に追いつきます。
ブルーノが浮かしたボールをブロックしたスミスのプレーがハンドの判定。このフリーキックをブルーノがとんでもないコースに決め、スコアを振り出しに戻しました。

勢いに乗ったユナイテッドは、すぐさま追加点を奪います。

79分
スローインからの流れで、相手クリアボールをクーニャがヘッドでエンベウモへ。

エンベウモは寄せてきたディアキテを躱すと、このボールをシェシュコが奪ってそのままドリブル。

シェシュコのアマドを狙ったクロスはカットされますが、こぼれ球はクーニャの元へ。これをクーニャが落ち着いて沈め、3度リードを奪いました。

しかし、ここでリードを保てないのが最近のユナイテッド。

84分
ショウのスローインをシェシュコがクーニャに落としますが、そこをスコットに引っ掛けられ、ボールを奪われます。スコットは左サイドのヒメネスに展開すると、ヒメネスにクルピへのスルーパスを通され、これを決められました。

ここも、ヘヴンのポジショニングが問題でした。事故っぽくボールを失ってしまい、対応が後手に回ってしまっていたこともありますが、ダロトがクライファートについているにも関わらず、クライファートを気にして背後のクルピをフリーにしてしまいました。マルティネスも、試合勘が戻っていないのか、クルピへの寄せが甘くなってしまいました。
正直、この流れで失点してしまう今のユナイテッドは、何か悪いものでも憑いているのではないかと思ってしまいました。

終盤、ボーンマスに2度決定機が訪れますが、いずれもラメンスがセーブ。なんとか引き分けのまま試合終了のホイッスルを迎えました。

まとめ

なんですか、この試合は……。
ユナイテッドサポーターでなければ、相当面白い試合だったでしょう。しかし、あれだけ前半に素晴らしい入りを見せていたにもかかわらず、簡単にボーンマスに流れを取り返され、あわや敗戦という展開になるとは、ユナイテッドサポーターは夢にも思っていなかったのではないでしょうか。

冒頭で「ややポジティブに捉えている」と書きましたが、その理由は失点の多くが若手CBに起因しているからです。3バックのうち2人が10代の選手という状況では、今のプレミアリーグにおいて厳しい戦いになるのは致し方ありません。
また、マルティネスをスタメンで起用しなかった判断については、個人的には支持したいところです。まずは回復に専念し、徐々に出場時間を増やしていってほしいですね。次節あたりから、スタメン起用の可能性もありそうです。

一方で、セットプレーは本当に良くなりました。今や明確な武器と言っても過言ではありません。後半は存在感が薄れましたが、前半のマウントの出来は素晴らしかったです。
エンベウモはやや本調子ではなかった印象ですが、クーニャは一人気を吐いていました。チームを勝たせようとする強い意欲が感じられましたし、ゴールを決め切れた点も非常にポジティブです。攻撃陣には、この調子をぜひ維持してもらいたいですね。

次節はアウェイでのアストン・ヴィラ戦。AFCONの影響で主力不在という厳しい状況ではありますが、ここを乗り越えてこそ上位進出への足がかりになるはずです。

ここから“強いユナイテッド”が本当に戻ってくることを信じて――。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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