試合概況
どうも!マンチェスター・ユナイテッド研究所です。
お待たせいたしました。
今回は、2月1日(日)に行われたプレミアリーグ第24節・フラム戦の試合レビューを書いていきます。
結果は――2戦連続で3対2というスコアでユナイテッドの勝利!
スタメン

前節のアーセナル戦からの変更点は、負傷離脱となったドルグに代えてクーニャが入ったのみ。非常に妥当なメンバー変更だったと思います。
マウントがベンチにもいなかった点は少し不安でしたが、練習中の打撲とのことで一安心しました。
ただ、今のキャリック・ユナイテッドにおいて、マウントが最も輝けそうなポジションはトップ下のみ。そこは、キャプテンが最も輝けるポジションで、現状ブルーノからポジションを奪える可能性が極めて低いという、、、。試合数が限られているユナイテッドにとって、マウントという選手をどう活かしていくのか。今後も起用法には不安が残りますね。
前半
立ち上がりから、ユナイテッドにはアモリム期に見られていたような「中堅・下位相手に気持ちが入っていない」雰囲気は一切なく、全員がハードワークしていたのがとても印象的でした。この姿勢を見られただけでも、サポーターとしては嬉しかったですね。
守備も連動しており、フラムは何度か良い形で攻撃を仕掛けてきたものの、全体としては見ていて不安を感じる場面は少なく、むしろ安心感すらありました。
9分 ユナイテッドにビッグチャンスが訪れます。
フラムのスルーパスが流れたところをアマドが拾い、マグワイア、マルティネスとボールを繋ぎます。マルティネスが前を向いて持つと、エンベウモが素晴らしいタイミングで最終ラインの裏へランニング。マルティネスはその動きを見逃さず、正確なロングボールを供給します。

エンベウモのトラップが少し流れてしまったこともあり、クエンカに追いつかれて倒されますがノーファールの判定。確かに脚はボールに行ってましたが、その前に押されていて、エリア外だったとは思いますが、私はファールだと思いました。
13分 フラムがコーナーから決定機を迎えます。
キッカーのウィルソンは、イウォビとのショートコーナーでパス交換すると、ファーサイドへクロスを供給。

大外に位置していたクエンカは、ショウの視界から一度消えるような巧みな動きを見せ、背後から折り返します。このボールにアンデルセンが合わせましたが、ラメンスが鋭い反応でセーブ。至近距離でしたが、よく止めました。
19分 ユナイテッドが待望の先制点を奪います。
右サイドに流れたクーニャがクエンカに倒され、主審は一度PKを宣告。しかし、VAR介入の末にファウルはエリア外と判断され、フリーキックに判定が変更されます。
キッカーのブルーノが蹴った柔らかなボールに、背後から飛び込んだカゼミロがクエンカの上から、叩きつけるヘディングでネットを揺らしました。

マグワイアとカゼミロの2枚が、相手にとっては脅威でしかないですね。
直後の21分に、失点しなかったものの非常に危険なシーンがありました。
クーニャがイウォビを深追いして右サイドに流れて来たのですが、メイヌーもカゼミロも全員が右サイドによっていて、さらにヒメネスがユナイテッド側の左サイドに流れて来ていたこともありマルティネスまで右サイドに釣り出されていました。結果、ユナイテッド側の左サイドにショウしかおらず、ショウもウィルソンのマークでカスターニュに誰もマークがつけない状況に。

ヒメネスはスミスロウに預けて、大きく膨らみながら右サイドを狙います。受けたスミスロウは、左足で右サイドのカスターニュにパス。

若干マイナス気味になったこともあり、カスターニュのタッチが流れ、ことなきを得ましたが、仮にヒメネスやベルゲを経由してカスターニュに出されていたら、3対1の状況を作られていたので決定機になっていたでしょう。

前線でハイプレスを仕掛けるのはいいですし、連動した動き自体は良かったと思いますが、もっと整備しないとこのようなシーンは今後もありそうですね。
その後は、お互いに良い攻撃を見せるシーンもありましたが、決定機には至らず1-0のまま前半終了となりました。
この試合を見ていて確信したのですが、キャリックは相当守備について口うるさく言っていそうですね。
アモリム期は、
- CKで人数をかける
- 失った瞬間の即時奪回が曖昧
- WBや外CBの戻りが遅れる
この3点が重なり、「なぜそこが空く?」という形でカウンターを浴びる場面が少なくありませんでした。
一方でキャリック政権下では、
- CK時に必ず“潰し役+保険役”が明確に決まっている
- セカンドボールを拾えなかった瞬間、迷わずブロック形成に切り替える
- 無理に即時奪回に行かず、まず中央を消す
この徹底ぶりが、シティ戦・アーセナル戦だけでなく、今回のフラム戦でも一貫して見られ、チームとしての基準が変わったと感じさせます。
特に印象的なのは、ロスト時に”誰かが行く”のではなく、全員が一斉に下がる
これは間違いなく、「失点しないための原則」をかなり口うるさく叩き込まれている証拠でしょう。
キャリックは現役時代から、
- ポジショニング
- 危険察知
- 試合の流れを読む力
で生きた選手です。
そのキャリックが短期間でここまで変えられているのは、「攻撃の約束事」よりもまず守備の最低ラインを揃えることを最優先にしているからだと思います。
そして何より大きいのは、
選手たちが“守備をサボらなくなった”こと。
フラム戦のような「主導権を握る側の試合」でこれができていたのは、本当にポジティブです。
中堅〜下位相手でも集中力を切らさず、同じ強度でプレーできるかどうか――ここが、これまでのユナイテッドに最も欠けていた部分でしたから。
このまま
- 守備の基準を落とさず
- 攻撃の質を少しずつ上げていければ
「勝ち点を取りこぼさないユナイテッド」に近づいていくはずです。
後半
ユナイテッドボールでキックオフ。序盤のユナイテッドは、無理に前へ急がず、時計の針を進めるように後方からゆっくりとボールを動かそうとする意識が見られました。
ただ、ビルドアップはやや危なっかしく、ところどころテン・ハグ期を思い出させるようなシーンもありました。それでも、技術の高い選手が揃っているため、何とか繋がっているといった印象です。このあたりは、就任間もないことを考えれば当然で、まだ十分に仕込めていない部分なのでしょう。
一方のフラムは、選手の立ち位置を修正してきていました。ウィルソンが中央寄りのポジションを取る一方で、空いた右サイドにはカスターニュやイウォビが流れてくる形。前半はウィルソンがあまり効果的にボールに触れられていなかったため、その点を踏まえた修正だったように見えます。
そして55分、再びスコアを動かしたのはユナイテッドでした。
クリアボールをカゼミロがダロトに落としたところから、メイヌー、カゼミロとテンポよく繋ぎます。するとカゼミロは、視線をエンベウモに向けながら、ノールックでクーニャへスルーパス。相手守備の意識をずらす、非常に質の高いプレーでした。

これを、クーニャがニア上をぶち抜き追加点を奪いました。カゼミロがノールックパスでアシストするなんて、正直予想外ですが笑 おかげでクエンカの反応が遅れたこともこの得点に繋がっていますので、効果的でした。
この試合では、前半からメイヌーが相手に狙われている(よまれている)エリアへパスを出してしまい、カットされるシーンが複数回見られました。
もしかすると、こうした状況判断やパス選択の部分で、メイヌーはアモリムの評価を完全には掴みきれなかったのかもしれません。ただし、技術やボール扱いの質は疑いようがなく、もう一段階広い視野を持ってプレーできるようになれば、さらに手に負えない存在になる可能性を秘めています。まだ若い選手ですし、こうした課題を一つずつ改善していくことで、ワールドクラスへ近づいていくはずです。今後の成長に期待したいですね。
65分 カゼミロがスミスロウを倒して与えたフリーキックの流れから、クエンカにネットを揺らされましたが、VARの末クエンカの前にチュクウェゼのポジションがオフサイドの判定となり、取り消しになりました。
74分 ユナイテッドの選手交代。
クーニャ、カゼミロの得点者ブラジル人コンビを下げて、シェシュコとウガルテを投入。
直後の75分には、ハイプレスから敵陣でボールを奪い、そのまま決定機を作ります。アマドが右サイドから上げたクロスに、シェシュコがファーストタッチでヘディング。タイミング、入り方ともに完璧でしたが、シュートは惜しくもポストに嫌われました。
アマドのクロスはまさにドンピシャでしたし、シェシュコの合わせ方も非常に質が高かっただけに、決まっていれば試合を決定づける一撃になっていたはずです。結果こそ伴いませんでしたが、前線の連動と狙いが明確に表れた、非常にポジティブなシーンだったと言えるでしょう。
85分 フラムがPKで1点を返します。
シェシュコのパスを引っ掛けられたところから、フラムはビルドアップに入ります。ケアニーがボールを持つと、ウガルテとメイヌーが連動して奪いに行きましたが、その背後を突く浮き玉のパスで、中央で完全にフリーとなっていたベルゲに通されてしまいました。
2人で圧縮をかけに行った判断自体は悪くありませんが、背後のスペース管理と周囲の確認が不十分でしたね。特に中央に人が余っている状況で同時に食いついてしまったことで、フラムにとっては最も楽な逃げ道を与えてしまった形です。

ベルゲは、少し運んでから左サイドから裏抜けを狙っていたヒメネスへスルーパス。

抜け出したヒメネスがそのままエリア内へ持ち込みシュート。これに対し、マグワイアが堪らずスライディングタックルを仕掛けますが、ファウルを取られPKの判定となります。キッカーのヒメネスは、左上の完璧なコースに沈めました。ラメンスもコースの読みは合っていましたが、これはどうしようもありません。
結果論にはなりますが、この場面ではディフェンスラインが揃っていなかったことが大きな痛手でした。ラインが統率されていれば、オフサイドを取れていた可能性もあったでしょう。また、マグワイアの対応についても、無理にスライディングに行かずとも、ラメンスが対応できる角度と距離だったように見えました(実際セーブしてましたしね。。。)。CBとしては止めに行きたくなる場面ではありますが、ここは一段落ち着いて対応したかったところです。
86分 ユナイテッドの選手交代。
ダロトを下げて、マズラウィを投入。
92分 フラムが試合を振り出しに戻します。
失点直後から、試合の流れはフラムへ。ユナイテッドが自陣に押し込まれる時間帯が続きます。
バッシーから左サイドのケヴィンへボールが渡ると、エリア内に侵入していたセセニョンとワンツーを選択。このパス交換でケヴィンはマークを外し、ペナルティエリア角から思い切りよくシュートを放ちます。
放たれたボールは、綺麗な放物線を描きながら右隅へ。ラメンスも届かない、見事なコントロールショットでした。

この場面も、失点後の集中力の低下とラインの受け身な対応が重なった形でしたね。セセニョンへの警戒にウガルテとアマドが引き出されたことで、ケヴィンへの寄せが遅れ、シュートコースを与えてしまいました。個のクオリティを褒めるべきゴールではありますが、リードしている終盤の押し込まれる時間帯をどう耐えるかという点で、課題を突きつけられた失点だったと言えるでしょう。
しかし、この試合はこのまま終わりませんでした。
94分 ユナイテッドが再び前に出ます。
フラムのクリアボールをマズラウィが回収し、落とした先はマルティネス。マルティネスは迷うことなく、前線のアマドへ正確なフィードを送ります。
セセニョンとケヴィンに挟まれたアマドは無理をせず、一度マズラウィへリターン。マズラウィは、右サイドへ流れていたブルーノへ展開します。
テンポ良く、かつ理にかなった判断の連続で、ユナイテッドらしい前進が見られたシーンでした。

背後にバッシーがついていたブルーノは、そのまま受けたら潰されると分かっていたのでしょう。スルーしてターンを決め、バッシーを抜き、すぐさまグラウンダーのクロス。

パスを受けたシェシュコは、ややタッチが乱れたようにも見えましたが、そこから慌てることなく冷静に切り返し。体勢が十分ではない中でも、右上にシュートを突き刺しました。技術とメンタルの強さが凝縮された、見事なフィニッシュでした。
そして何より印象的だったのは、ゴール直後の光景です。ザークツィーをはじめ、ベンチメンバーが一斉にピッチへ駆け寄り、喜びの輪に加わる姿を見て、このチームがしっかり一つにまとまっていることを強く感じました。
これぞ、**“シアター・オブ・ドリームス”**と呼ぶにふさわしいシーンでした。
直後、エンベウモを下げてヨロを投入し、見事逃げ切り成功。試合終了のホイッスルを迎えました。
まとめ
終盤の勝負強さと、消えない課題
2戦続けてヒヤヒヤさせられる展開となりましたが、アーセナル戦に続き、終盤の勝ち越し弾で勝ち点3を獲得。この結果を受けて、ユナイテッドはCL出場圏内の4位を死守しています。
2試合ともに決勝点を挙げたのが途中出場の選手という点は、非常にポジティブです。
スールシャールやチチャリートがいた頃の“終盤に試合を決め切るユナイテッド”を彷彿とさせる内容で、個人的にはとても嬉しく感じました。結果そのものには満足しています。
明確になった「試合のクローズ」という課題
一方で、2試合連続で追いつかれている点は看過できません。
特に今節は、2点のリードをわずか6分で失ったことが大きな問題です。これは、現ユナイテッドの明確な課題と言えるでしょう。
キャリックの攻撃的な姿勢自体は非常に評価していますが、選手交代の使い方には改善の余地を感じました。
例えば失点直後、ダロトに代えてマズラウィを投入しましたが、これは守備重視の意図だとしても、同ポジションの交代に留まり、
「追加点を狙うのか」「時間を使って逃げ切るのか」
というチームとしてのメッセージが曖昧だったように思います。
どうせならこのタイミングでヨロやヘヴンを投入し、5バックに移行するなど、明確に“守り切る”姿勢を示しても良かったのではないでしょうか。
(もちろん、ダロトのコンディションを考慮した交代だった可能性もありますが……)
試合をクローズさせる戦い方は、今後CL圏を争う上で必ず必要になります。
ラメンスという「安心感」
話は変わりますが、ラメンスの存在感は本当に頼もしいですね。
移籍初年度でここまでの安定感を見せるとは、正直想像していませんでした。
クロスやコーナーキックへの対応、飛び出しの判断も的確で、何より印象的なのはビルドアップ時の落ち着きです。
相手のプレスをよく見極め、逆を取る判断が非常に上手く、両足で遜色なく蹴れることもあり、GKがプレッシャーを受ける場面が明らかに減っています。
見ていて安心感を覚える理由は、ここにあるのでしょう。
次節へ向けて
次節はホームでのトッテナム戦。
トッテナムは現在14位と不調ですが、ユナイテッドにとっては大の苦手相手。直近5試合は1分4敗、最後の勝利は22/23シーズンまで遡ります。
それでも、キャリック就任後のユナイテッドは別のチームです。
全員がハードワークし、魂を見せて戦っていると感じます。このスピリットを維持できれば、トッテナム戦も乗り越えられるはずですし、CL出場権も必ず掴み取れると信じています。
ここから“強いユナイテッド”が本当に戻ってくることを信じて――。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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