試合概況
現地時間2025年4月10日(木)、アウェイ”グルパマスタジアム”で開催された、EL準々決勝1stレグのリヨン戦は、後半アディショナルタイムの失点で2-2のドロー。アウェイでの先勝とはなりませんでした。この記事は、この試合の振り返りを行なっていきます。
スタメン

ユナイテッドは、シティ戦と同じメンバーを起用。現地でもザークツィースタメン予想が多かったようですが、ホイルンドで継続してきました。また、スタートの段階では、ガルナチョを右に戻してきたのがトピックでしょうか。
前半
リヨンは、立ち上がりハイプレスを仕掛けいい入りをしてきました。ユナイテッドとしては、徐々にビルドアップが改善しているとはいえ、ハイプレスをかけられるとミスが増えるので、リヨンとしてはそこをついてくる形となりました。また、試合前の発言からオナナへのブーイングがすごかったですね、、、
5分 ユナイテッドビルドアップの場面で、ヨロからドルグに繋がると、ドルグから落ちてきたホイルンドに楔が入ります。ホイルンドはターンから右サイドで開いていたダロトに展開すると、中央にドリブルしながら、右のガルナチョへ。ダイレクトでクロスを入れますが、ブロックされます。その後のボールキープからガルナチョがファウルを受けフリーキック。ブルーノはニアを狙い、カゼミロが飛び込みますが、合わず。獲得したコーナーもニア狙いでしたが、マグワイアの前で弾き返されます。
8分 ホイルンド起点の連動したプレスからウガルテが敵陣でボールを奪取。ホイルンドに出したパスをカットされチャンスには至らず。奪った瞬間、左サイドでブルーノの前にスペースがあったので、そこに出せればチャンスになっていました。
11分 リヨンはビルドアップでユナイテッドを左右に揺さぶりながら、左サイドのスペースを狙ってきます。ミカウタゼ、トリッソ、タグリアフィコが左サイドで飛び出す動きを見せるシーンが多く、リヨンの一つの狙いが左サイドだったと思われます。ダロトが絞った大外のタグリアフィコにパスを通されますが、ダロトがカットしコーナーに逃れます。
18分 リヨンのビルドアップをホイルンドがプレッシャーをかけ奪います。ブルーノからドルグ、ドルグのマイナスのクロスがホイルンドにあいますが、力がなくゴールキックとなります。このシーンでは動きは良かったのですが、エリア内でマークもついていないシーンでしたので、しっかりミートして欲しかったですね。ドルグはいい仕掛けと目線のフェイントでホイルンドをフリーにさせることができていましたので、いいプレーでした。
23分 リヨンのクリアボールを回収したところから、マグワイア→ガルナチョにつながると、ダロトとのパス交換で抜け出し、マイナス方向へグラウンダーのクロス。これにブルーノが合わせますが、ディフレクションがありコーナーキック。縦突破からマイナスのクロスというシーンが増えてきましたね。アモリム監督の狙いの一つでしょう。そのコーナーキックはファーサイドのマグワイアを狙いますが合わず。流れたボールをドルグがクロスを入れ、カゼミロがオーバーヘッドで合わせましたが、ペッリにキャッチされます。
25分 リヨンに先制点が生まれます。ベレトゥのサイドチェンジをミカウタゼ→タグリアフィコと頭で繋ごうとしたところ、マズラウィが寄せますが、これがファウルの判定。リヨンはフリーキックを得ます。アルマダがキーパーと飛び込んできたニアカテ間のスペースにボールを入れると、これが直接決まり、リヨン先制。ニアカテとタグリアフィコが飛び込んできており、難しいシーンではありましたが、オナナのミスぎみの失点となりました。ただ、その前にニアカテを誰がマークするのかはっきりしておらず、フリーで飛び込ませてしまっている点も問題でした。
その後は、ユナイテッドのミスも絡みながらリヨンに押し込まれる展開が続きます。
48分 ユナイテッドはカウンターからピンチを招きます。ホイルンドが潰されたところから、ガルナチョ→ウガルテ→ドルグと展開しますが、エリア手前で受けたカゼミロがアクオクに寄せられボールロスト。ベレトゥ→シェルキ→トリッソとプレスを躱され、前線のミカウタゼに抜け出されます。一時、1対2の数的不利をつくられますが、マズラウィが素晴らしい対応で防ぎました。
このまま終わるかと思われた50分、ユナイテッドがセットプレーから同点に追いつきます。ウガルテとのパス交換で前線に抜けようとしたガルナチョが引っ張られ、フリーキックを獲得。ブルーノが蹴ったボールは、ペッリに弾かれますが、弾いたボールに反応したウガルテがダイレクトでボレーシュート。そのボールにさらに反応したヨロがヘッドで枠に収め、ユナイテッド同点。ウガルテのボレーはあきらかにシュートだったと思いますが、ヨロはよく反応しましたね。
これがラストプレーとなり前半終了。お互いに、決定機は少ない中で1点ずつを取り合いました。リヨンの方が右で作って左で決めるというプランを遂行しているように思いましたし、ハイプレスを仕掛けてきており、ユナイテッドとしては難しい前半となりました。
後半
互いにメンバー変更なしでスタート。ユナイテッドはウガルテとカゼミロの左右を入れ替えてきました。
47分 ブルーノが左サイドで張ったところに、マグワイアからのフィードが届きます。中にカットインしながらインナーラップしてきたドルグに出します。キープからブルーノにリターンしたところ、ウガルテがエリア内いい位置で受け、ターンからクロスを入れましたが、ホイルンドと意図が合わず。
51分 前半ダロトとの接触で膝が入り傷んでいたアクオクが下がり、ラカゼットを投入。
53分 タグリアフィコからパスを受けたミカウタゼがトラップでマズラウィを躱すと、ダブルタッチでガルナチョも躱し、クロス。中でフリーのラカゼットに通りますが、ラカゼットのシュートはミートせず、枠を外れます。助かりました、、、
58分 リヨンからボールを奪ったところから、カゼミロとウガルテのパス交換。右サイドでダロトがフリーになっていましたが、そちらには出せず。アモリムはウガルテを後半途中で交代することが非常に多いですが、ウガルテの展開力にアモリムは不満を持っているのかもしれませんね。
61分 ユナイテッドビルドアップの展開から、ヨロがブルーノとのワンツーで抜け出します。カットインし、ホイルンドを囮に使ってシュートを打ちますが、枠外。ヨロも運べる選手ですので、チームにフィットしてくればこのようなシーンが増えてくるのではと思います。
62分 マズラウィ→ダロト→ウガルテと右サイドで上手くビルドアップし、抜け出たガルナチョにスルーパスが通ります。クロスをあげようとしますが、ニアカテがブロックしコーナー。ここで、ユナイテッド選手交代。ホイルンド→ザークツィーを投入。
64分 リヨンに決定機。トリッソとラカゼットがワンツーでトリッソがゴール前に侵入。ウガルテ、マズラウィが飛び込みますが躱され、シュートも、キーパー正面。決められていてもおかしくないピンチでしたが、助かりました。
69分 ベレトゥとメイトランドナイルズに右サイドを崩され、ピンチになりますが、マズラウィがブロック。こぼれ球がザークツィーに繋がり、右サイドのガルナチョへ。縦に運び、左サイドのブルーノへパスを出しましたが、意図が合わず。
72分 ユナイテッドはウガルテに代え、マウントを投入。ブルーノを3列目に下げます。アモリムは勝ちに行く姿勢を示しました。
76分 ダロトが相手ボールをカットしたところから、ブルーノへ繋ぐと、ブルーノから右サイドを抜け出したガルナチョへいいボールが渡ります。しかし、ガルナチョのタッチが大きくなり、ニアカテがカット。
79分 ブルーノから左サイドのドルグに繋ぐと、クロスに合わせたのはガルナチョ。いいシュートでしたが、ペッリの正面に飛んでしまい、セーブされ、コーナー。このコーナーにカゼミロが合わせましたが、これも枠外。
83分 ユナイテッドは2枚代え。マグワイア→リンデロフ、ガルナチョ→メイヌーを投入。メイヌーは2月8日FA杯レスター戦以来、約2ヶ月ぶりの戦線復帰となりました。
85分 アルマダ、ラカゼット、シェルキと繋がれ、シェルキのクロスにラカゼットが合わせましたが、枠外。
88分 ユナイテッドが勝ち越します。ビルドアップの場面で、リンデロフがフリーでボールを持つと、ブルーノが抜け出したタイミングでいいフィードが出ます。これは、タグリアフィコにカットされますが、ここにメイヌーが飛び込み、ブルーノに繋ぎます。ブルーノからのクロスにファーサイドのザークツィー合わせ、ユナイテッドが勝ち越しに成功。失点後のリヨンの選手たちの表情を見ていると、勝負ありと思われましたが、リヨンが劇的同点弾を決めます。
95分 左サイドからのクロスが流れたところを、メイトランドナイルズが諦めずにボールを収め、ベレトゥに繋ぎます。ベレトゥはアルマダに横パス。アルマダはカットインからエリア内のラカゼットへ。ラカゼットのキープからヒールパスでシェルキ→ミカウタゼと繋がり強烈なシュート。これはオナナがセーブしますが、弾いたボールにシェルキが詰めており、リヨンが追いつきます。これがラストプレーとなり、試合終了。
選手採点
オナナ 5
どちらの失点もオナナの責任と言いきれない部分もありますが、ブーイングなどの影響もありキックのミスも目立った。
マズラウィ 6
48分のシーンなど、素晴らしい対応もありましたが、簡単に飛び込んでしまいピンチを招くシーンもあった。
マグワイア 6
守備面も安定していた。セットプレーではターゲットとなったが、上手く合わせられず。チームとして、マグワイアをフリーにさせる動きが必要か。また、ロングフィードは正確だった。
ヨロ 7
引かれた場面では自ら持ち運ぶなど、攻守両面で目立っていた。また、素晴らしい反応で同点弾。
ダロト 7
相手を1枚はがすドリブルでチャンスを演出していた。守備面でもミスはなかった。
ウガルテ 7
トランジションがよく、いいボール回収を見せていた。展開力の面で若干物足りなさを見せたが、守備面で光っていた。
カゼミロ 5
シティ戦のパフォーマンスから打って変わり、守備面でほぼ見せ場なし。中盤より前目で持った際の判断が遅く、ボールロストも目立った。
ドルグ 6
パスは良かったが、ドリブルでは対面するメイトランドナイルズに封じられた。
ガルナチョ 5
ボールが足につかないシーンが目立った。ドリブルで仕掛けても抜けないことが多く、クロスもブロックされるケースが多い。また、タッチが流れてロストするシーンも目立った。
ブルーノ 7
安定したパフォーマンス。味方と意図が合わないシーンもあったが、チャンスを創出し続けた。
ホイルンド 6
いい飛び出しやポジショニングがあったが、、、フォワードとしてフィニッシュの場面で可能性を感じられないのが残念。
まとめ
流れ的に、勝ちを逃した感がありますが、全体を通してみると、引き分けが妥当なゲームだったのではないでしょうか。それにしても、昨季から勝負弱さが染み付いてしまっているユナイテッド。こういうゲームを勝ちきれないとタイトルは難しいでしょう。
ポジティブな面に目を向けると、メイヌーの復帰は嬉しいですね。出場時間は少なかったですが、早速点に絡む活躍を見せましたし、安定したパフォーマンスだったと思います。
また、チームとしてのパフォーマンス自体は悪くなかったのではないでしょうか。ビルドアップもできていましたし、連動したプレスを見せる場面もありました。アモリム監督もまだまだ満足はしていないでしょうが、少しずつ良くなっていることは確かだと思います。次戦は、4月13日(日)のPLアウェーのニューカッスル戦。厳しい一戦になると思います。私としては、結果より内容が重要と思っています。今はまずELが最優先と思いますので、メイヌーやマウントも起用しつつ、選手のコンディションを上げていってほしいと思います。とはいえ、勝って欲しいので、ニューカッスルを沈めてELに弾みをつけてほしいところです。
この一戦は24時30分からと、見やすい時間帯ですので、全員で応援しましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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