試合概況
現地時間2025年4月13日(日)、アウェイ”セントジェームズパーク”で開催された、PL第32節のニューカッスル戦。前半からニューカッスルに主導権を握られ、ボールを”持たされている”感が強かったユナイテッドですが、前半こそ1-1のタイスコアで終えますが、後半に入りニューカッスルの勢いに飲まれ、3失点。1-4で完敗を喫しました。この記事は、この試合の振り返りを行なっていきます。
スタメン

アモリムは思っていたよりも、ターンオーバーを敢行してきました。リヨン戦からは5枚の変更です。
まず、試合前の情報通りオナナはベンチ外となり、バユンドゥルがPLデビューを飾りました。その他、マグワイア→リンデロフ、ドルグ→アマス、カゼミロ→エリクセン、ホイルンド→ザークツィーとなり、アマスはPLの先発デビューとなりました。また、機動力がないエリクセンをよりによってニューカッスル戦でシャドーではなく中盤で起用してきたのは意外でした。
前半
開始早々から、ニューカッスルはテンション高く入ってきます。ビルドアップにはかなりハイプレスを仕掛けてきており、ユナイテッドとしては苦手な展開になりそうだなという感覚がありました。ただ、前半の開始すぐは、ユナイテッドも各選手の球離れが早く、敵陣までは運べる展開が続きました。
4分 ザークツィーのパスがズレたところをマーフィーにカットされると、そのまま運ばれミドルシュート。枠を外れましたが、いいシュートでヒヤリとしました。
9分 ニューカッスルのビルドアップにプレスをかけ、マーフィーのミスを誘います。ウガルテが拾ったところから、ガルナチョに繋ぎます。ドリブルで運びながら、右サイド走って来たダロトにスルーパスを通します。ダロトはザークツィーに合わせるイメージでダイレクトクロスを入れましたが、精度を欠きました。
12分 エリクセンが奪ったところから、ブルーノ→エリクセンと繋ぐと、ブルーノとザークツィーがワンタッチでパス交換し、エリア内に侵入。最後はザークツィーがシュートを打ちますが、ここはポープがナイスセーブ。ちょっとコースが甘かったですが、惜しいシーンでした。
13分 ユナイテッドのコーナーキックをポープがキャッチしたところから、ビルドアップ。左右にボールを動かしながら、リヴラメントのスルーパスにバーンズがポケット付近を陥れます。バーンズのクロスはアマスがクリアしました。
16分 ダロトが足を滑らせリヴラメントにカットされた所、ウガルテが素晴らしい対応をしたのですが、これがファウルの判定。イエローカードが提示されます。ボールに行っていたので、イエローは不服ですが、仕方ありません。
19分 ユナイテッドの右からのビルドアップで、ダロトから浮き玉で前線のザークツィを狙います。マッチアップがトリッピアーだったこともあり、体をぶつけてキープすると、抜け出していたエリクセンにパスを出しますが、エリクセン届かず。
23分 ユナイテッドのゴールキックをカットした所から、マーフィーが右サイドに運びます。オーバーラップしてきたトリッピアーを使わず、中央マークを外して受けに来たギマランイスに出すと、中をしっかり確認しクロス。イサクが頭で合わせますが、枠外。クロスが流れていても、バーンズがファーサイドで待ち構えていて、ユナイテッドもこのくらい厚みのある攻撃をしてほしいと思いました。
24分 ニューカッスルが先制します。ユナイテッド右からのビルドアップに対して、タイトにプレスをかけてくるニューカッスル。ウガルテが逆サイドのアマスに展開しようとしたボールが短くなり、マーフィーが拾い、トリッピアーに渡すと、トリッピアーから前線のイサクに鋭いパスが通ります。ファーストタッチは乱れましたが、注意を引き付けている隙に抜け出したトナーリに浮き玉でパスを送ると、これにダイレクトであわせ、逆サイドネットを揺らします。
このシーンは、結果論になってしまいますがザークツィーが自陣深い位置まで守備に戻って来ていたことで、預けるところがなく、厳しい状態で繋がざるを得ない状況を招いたことが、失点につながったと思いました。また、ガルナチョはこういうシーンで裏に抜ける動きをしてほしいんですけどね。リンデロフがもった状態で、ガルナチョが走り出していれば、シンプルにガルナチョに出せていたと思うので。
28分 ニューカッスルはショートコーナーからマーフィー→リブラメント→トナーリと繋ぎ、トナーリはフリーでミドルシュート。枠外でしたが、誰も寄せに行かない、甘い守備でした。
31分 バユンドゥルからダロトへのボールをダロトがうまくキープし前線へ運びます。右サイド張っていたガルナチョに出すと、マイナスのクロスにブルーノが走り込みますが、シュートはミートせず。
34分 左サイドからのビルドアップを引っ掛けられると、トリッピアー→ジョエリントンと繋ぎます。ウガルテがタイトにマークしますが、フィジカルと上手いターンで躱されます。ダロトがスライディングで体に当てますが、こぼれ球もギマランイスに拾われ、左サイドのバーンズに展開。追い越してきたリヴラメントにポケットへの侵入を許すと、クロス。中でイサクが合わせますが、バユンドゥルがナイスセーブ。
37分 ユナイテッドが劣勢の中同点に追いつきます。ウガルテが50:50のボールをジョエリントンに競り勝って奪うと、右サイドのダロトのスペースに出します。ダロトは、寄せてきたリヴラメントをワンタッチで躱し、中央へドリブル。バーンを引き付け、右サイドでフリーになったガルナチョへパス。うまく左足で逆サイドに流し込み、同点弾。シェアも寄せて来ていて難しいシーンでしたが、よく決めました。
45分 リンデロフのいい対応から、ヨロ→アマス→ガルナチョと繋ぐと、ガルナチョが中へ戻したボールをアマスがいいポジションに入ってきて受け、ワンタッチ相手をかわすと、左サイドで張っていたザークツィーへパス。ドリブルで運びながら、並走していたガルナチョへ渡すと、ガルナチョのパスはカットされますが、こぼれ球が再びガルナチョに溢れると、そのままシュート。ここはポープにセーブされます。今日はガルナチョのシュートのフィーリングはよかったですね。
その後は、お互い見せ場はなく前半終了。低い位置からのビルドアップを試みるユナイテッドに対して、ハイプレスを仕掛けててくるニューカッスル。ビルドアップも無理せず、シンプルにウィングのスピードやジョエリントンのフィジカルを使いボールを進めてくる戦い方は、ユナイテッドが一番嫌な形でしたね。
後半
49分 ニューカッスルが一歩前へでます。シンプルにジョエリントンにハイボールを当てたところから、左サイドリヴラメントが持つと、ダロトを躱してグラウンダーで逆サイドにクロス。少し流れますが、マーフィーが折り返したところにバーンズが詰めてゴール。
このシーンでは、ダロトの守備の軽さが気になりましたね。連戦の疲れかもしれませんが、いただけないシーンでした。
53分 ユナイテッドにアクシデント。エリクセンが引っ掛け、マーフィーからボールを奪ったところから、ブルーノが出したパスはギマランイスに引っかかったものの、ザークツィーが反応。トリッピアーの寄せを躱し、マーフィー、シェア、リヴラメントも躱したところで、右腿裏を抑えながら倒れ込んでしまいました。一人では歩けない様子で、長期離脱となりそうです。コンディションが上がって来ている中での離脱は、ザークツィーにとっても、ユナイテッドにとっても痛いですね。一日も早い回復を願っています。
ユナイテッドは、ザークツィー、アマス、ガルナチョを下げて、ホイルンド、ドルグ、マウントを投入。
61分 ニューカッスルのフリーキックからの流れを弾き返したところから、トリッピアー、ギマランイスと繋がれると、イサク→マーフィーと右サイドに展開され、ダイレクトでクロス。バーンが合わせますが、枠外。人はいるのですが、中で合わされすぎですね。
64分 ニューカッスルは追加点を奪います。左サイドでマズラウィがボールを持ったところ、バーンズがプレッシャーをかけます。内側にドリブルしながら躱そうとしますが、足を滑らせ奪われます。奪ったバーンズはそのままドリブルで中央侵入し、リンデロフとヨロの間を抜け、右隅にシュートをねじ込みます。
74分 左サイドでブルーノからホイルンドに浮き玉でのパスが通ります。ホイルンドはグラウンダーでクロスを入れると、エリア中でマウントがバーンを背負いながらキープ。エリア外のウガルテへパスを通し、シュートを打つも、ポープの正面でした。
76分 ニューカッスルが勝負を決定づける追加点を決めます。トリッピアーのクロスをバユンドゥルがキャッチしたところから、前線に出せずヨロに繋ぐと、ヨロからのリターンを受けたバユンドゥルのボールをジョエリントンに引っ掛けられ、ギマランイスの前に溢れると、これを冷静に決められ失点。
78分 勝負ありと判断したニューカッスルは3枚替え。ユナイテッドもマズラウィを下げてショウを投入。12月1日のエヴァートン戦以来の復帰となりました。
81分 ユナイテッドはリヨン戦に備え、ブルーノを下げてメイヌーを投入。
90分 右から中盤を経由してサイドチェンジでショウに渡ると、アーリークロス。ホイルンドが合わせますが、枠外。
94分 ニューカッスルのボール保持をショウがカット。センターサークル付近でフリーになっていたホイルンドに繋ぐと、そのまま縦に運び、シュートもシェアにあたり、コーナー獲得。シュートを打ちたかった気持ちもわかりますが、左でショウがフリーになっていたので、ショウに出して中に入っていってくれていた方が、チャンスになったのではないかと思いました。
その後はニューカッスルがうまく時間を使い、試合終了。後半からはユナイテッドの球離れが悪く、ボールを失う展開が続き、終始ニューカッスルペースでしたね。ちょっとずつ合わないシーンが目立ちなかなかチャンスも作れない試合となりました。
選手採点
バユンドゥル 5
いいセーブもありましたが、ビルドアップの面での判断力、キックの精度を提供できず。判断ミスでパスをカットされ、失点の起因に。
マズラウィ 4
珍しく、悪いパフォーマンス。失点の起因となるプレーのほか、タックルは一度も成功せず。空中戦も1/5勝と厳しかった。
リンデロフ 6
守備面では、フィジカルのなさ、スピードのなさを露呈するなど物足りなさはあったものの、ビルドアップ時のパスは良かった。また、受け手としてもいいポジションをとって助けており、やれることはやっていた印象。
ヨロ 6
ボールを持った時、冷静でミスが少なかった。守備面でも抜かれるシーンはなかったが、ポジショニングが悪い時があり、改善が必要
ダロト 6
攻撃面で非常にいいプレーを見せた反面、2失点目のシーンでの守備の軽さが気になりました。
ウガルテ 7
危機察知能力が高く、ピッチ内のあらゆる場面に顔を出しピンチを未然に防いでいました。完全にフィットした感があります。
エリクセン 5
スピード不足で繋がらない場面や、出足が遅れるシーンが目立ちました。
(引いて守ってくる相手であれば理解できますが、アグレッシブにくるニューカッスル相手に、なぜボランチ起用したのか理解不明でした。)
アマス 6
難しい試合だったと思いますが、悪くなかったと思います。寄せられた時に危なっかしい場面もありましたが、ここは経験を積んで慣れていってほしいですね。
ガルナチョ 7
やっぱり右のほうがいいですね。ただ、今日は右でのシュートもフィーリング良さそうだったので、この調子を維持してほしいと思います。また、もっと裏抜けを狙った動きをしてほしいです。
ブルーノ 7
今日もシャドーで先発しましたが、守備も怠らず攻守両面でチームを助けました。
ザークツィー 6
チームメイトも徐々にザークツィーのプレーに慣れてきた感じありますよね。コンディション良かっただけに、負傷が悔やまれます。一日も早い回復を願っています。
まとめ
CL圏争い中のニューカッスルは気合が入っていましたね。球際ではことごとく負けてましたし、ユナイテッドが嫌がることを徹底してやってきました。ユナイテッドとしては、好調のニューカッスルを叩きELリヨン戦に弾みをつけたかったところですが、完敗。それどころか、好調のザークツィーを負傷で失うなどなかなか厳しい試合となりました。ただ、前回の対戦時よりスコアは悪いですが、試合内容は良くなっていると私は感じました。ビルドアップにこだわりすぎているのは気になりますが、あと一歩で繋がりそうな場面、チャンスになりそうな場面が多々ありました。また、ショウがようやく復帰しました。さすが、安定したプレーでした。また、マウントも良かったですね。そろそろ、先発で起用される日が来るかもしれないですね。
次戦は大一番、オールドトラッフォードでのEL2ndレグ、リヨン戦です。来季をいい形で迎えるためにも、ここでタイトルを取るのと取らないのとでは、雲泥の差があると思っています。苦しいシーズンでしたがなんとかELのタイトルを掲げ、少しでもユナイテッドサポーターに希望を見せてほしいと切に願います。
4月17(木)28時キックオフですが、もちろん私はリアタイします。皆さんも、一緒に応援してEL優勝の夢を見ましょう!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
コメント